まやたろの体当たり日記 Wanderlust

東京銀座のOL→山梨で農業と狩猟をはじめる→2016北米&南米自転車縦断→2017夏全国キャラバン→2019秋「なないろペダル」(出版舎ジグ)刊行!

Day 341-343 Playa del Carmen

4/24 Mon

居心地のいいキャンプ場から抜け出すにはそれを上回る何かが必要だ。一昨日ビーチで出会ったクリスからメールがあり、「お母さんがごはんを作るからよかったら食べにおいで」とのお誘い。食べ物のお誘いを断るというのはわたしの辞書にはないので喜び勇んでプラヤデルカルメンに向かう。

食べ物パワーはすさまじく、50kmを2時間半で走った。やればできる子、わたし。着いたすぐ後にレベッカとネイサンも来て、お母さんがChille Rellenoを作るのを見せてもらった。

 

まず焼いて皮をむいたピーマン(Chille Pobranoという特殊な品種)にOaxaca Quesoというチーズを詰める。それからメレンゲを逆さまにしても落ちないぐらいまで泡立てて、そこに黄身を戻して混ぜ、チーズを詰めたピーマンにコーンスターチをまぶしてからメレンゲにくぐらせ、多めの油で揚げ焼きする。

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トマトをミキサーにかけ、鍋に塩と一緒に煮立てて、焼いたピーマンを入れる。

メレンゲのフワフワがソースと絡んでめちゃくちゃ美味しい。

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レベッカたちは一足早くカンクンに行ってしまうので今度こそお別れ。わたしはそのままクリスのお宅に泊まらせていただくことになった。

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4/25 Tue

みんながSushiを食べたことがないというので、手巻き寿司をすることにした。

買い物へ出かけ、そのあとセントロに向かったのだが、メルカドが面白そうだったので途中下車。ハマイカ(ハイビスカス。こっちでは氷と砂糖を入れてジュースみたいにして飲む)やタマリンド(甘酸っぱい豆。これも砂糖を入れてジュースに)、カカオ豆などを買った。

帰りのバスが大渋滞で時間がかかり、家に着いたらすでにおかあさんがご飯を作ってくれていたので、寿司は明日に延期となった。

習字や折り紙をして遊んだ。あて字がだいぶ得意になった気がする。今までのお気に入りは「蜜貝(ミッシェル)」と「栗須茶奈(クリスティーナ)」。無理矢理感ハンパない。

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4/26 Wed

みんなでタクシーに乗ってビーチへ。風と波がとても強い。みんなで砂の城を作ったり、かわいい貝殻を拾ったり、定番のアレをしたりして遊んだ。

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家に帰ってからは手巻き寿司。トルティーヤに巻くメキシカン手巻き寿司も生まれた。これぞ多国籍料理ってやつである。

 

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Day 338-340 Tulum

4/21 Fri

朝の開場とともに一番乗りでトゥルム遺跡に入る。まだ人も少なく、気温も涼しくていいかんじ。海沿いにあるこの遺跡は他とだいぶ雰囲気が違う。耳をすませば聞こえる波音。悠久の時を経た遺跡たちは朝日を浴びてより一層神々しく見えた。わたしはこの遺跡が一番好きかもしれない。

 

 

 

かつては権力者たちが住んでいたこの地も、今やイグアナの住処となっているようだ。

ホステルに戻って例の朝食をモリモリ食べ、出発しようとすると、パニアやチェーンやハンドルのトラブルに気付く。ひととおり整備してから気を取り直して今度こそ出発。

さて、わたしは5月2日のカンクン発の便で日本に帰ることになっているのだが、カンクンまであと300kmを切ったというのにまだ10日以上ある。つまり1日30km程度漕ぐだけでも日が余ってしまう。しかしカンクンはリゾート地のため物価が高いと聞いているので、できるだけギリギリに着きたい。そんな訳でいかに時間をつぶすかが勝負というわけなのだ。

iOverlanderによると、20kmほど進んだところにキャンプ場があるらしい。レベッカとネイサンはもう少し先に進むというので、彼らと別れてそのキャンプ場に向かった。

ゲートが閉まっていたが、しばらく待っているとオーナーの友人だという人がやってきて開けてくれた。どうやらオーナーは出かけているようなのでハンモックでゴロゴロしながら待たせてもらうことにした。

気づくと3時間ほど経ち、夕方になってようやくオーナーが帰ってきたのでキャンプ場を案内してもらった。敷地は思っていたよりも遥かに広く、キャンプ場の周りにはセノーテや洞窟、ティピやアウトドアキッチンもあり、すごく素敵な空間だった。そしてちょうど空いているからということで屋根とマットと明かりが付いた超ゴージャスなテントで寝かせていただけることになった。最高だ。中途半端な安宿に泊まるよりテントの方が圧倒的に快適である。

 

4/22 Sat

すぐ近くにいいビーチがあるというので行ってみた。人も少なく、マングローブに木陰もあって快適。

オーナーにシュノーケルを借りたので早速潜ってみると色とりどりの魚がいる。水もすごくきれいなのに、サンゴは死んでいて悲しい。目には見えないけど汚染されているのだろうか。

ひととおり泳いで満足したので、途中の村で買ったパヌチョスを食べ、本を読んでいると、目の前に見覚えのある顔が…。なんとレベッカとネイサンだった!「なんでわかったの!?」と驚くわたし。わたしの自転車が停まっているので、このビーチのどこかにいるのだろうと思いながら何気なく歩いてたら発見したらしい。彼らは7kmぐらい先でキャンプをしているらしいのだが、ここのビーチがいいと聞いてわざわざ戻ってきたらしい。

 

二人と話していると、近くにいた家族が話しかけてきた。ここからすぐ近くのプラヤ・デル・カルメンという町に住んでいるという。娘のクリスは英語を勉強しているらしく、よかったらうちにあそびに来てね、と言ってくれた。

 

そのうち誰かがココナッツを拾ってきて、ココナッツ割り大会がはじまった。石や持っていた小型のナイフであれやこれややってみてもなかなか割れない。やっと割れたと思ったら苦労のわりに得られるものは少なく、「これならメルカドで15ペソで買ったほうがいいね」という結論に達した。

気付けば夕方になり、みんなと別れてビールと食材を買ってキャンプ場に戻った。

ビール片手にハンモックに揺られながらマヤの本を読み、夜は彼らに思いを馳せながら見よう見まねでドリームキャッチャーを作る。これ以上贅沢な時間があるだろうか。いや、ない。

 

 

4/23 Sun

すこぶる暇である。レベッカたちと一緒にキャンプするか迷ったが、ここれもう一泊することにした。

本を読んだりミサンガを作ったり、のんびりしているうちに昼過ぎになった。なにやら村の方から賑やかな音がするので出かけてみると、ただの野球の試合だった。

それにしてもこのマヤ族の本が面白い。ひとりの子どもが生まれてから成長する過程でどんな儀式を受け、どんな神がいて何をするのかなど、暮らしの様子がよく分かる。中でも衝撃的だったのは、マヤの人たちにとってはおでこが平らであることが美しいとされるため、生後間もなくまだ頭骨が柔らかいうちにおでこを板で挟んで縛るということ。所や時代が変われば美しさの基準も変わるのだなあ。

夜、オーナーのレンスが帰ってきたのでビールを飲みながら話した。彼は世界中を徒歩、馬、自転車、バイク、車、ヒッチハイク、クルージング…などありとあらゆる方法で旅してきたらしい。この土地は19年前に購入し、当時はジャングルで何を買ったかすらよくわからないほどだったという。整備を進めていくうちに、セノーテや洞窟、そして人骨も発掘されたそう。地元の先住民の人々の協力を得ながら、昔ながらの技法で小屋やコテージを建て、この場を作りあげてきたという。

「手に入れると飽きてしまって次のことがしたくなる。」だとか「子どもなんて持ったら囚われの身だ。」だとか、彼の持論は独特で、共感できるものもできないものもあったが、

「人生でやりたいことはすべてやった。だから明日死んでも後悔はない。」

と言い切る潔さが格好良かった。そんな風に生きられる人ってなかなかいないでしょう。

 

 

Day 336-337 Coba to Tulum

4/19 Wed

朝ダラダラしていたら雨が降ってきて、慌ててフライをかける。程なくして止んだタイミングを見計らい、急いで荷物をまとめてコバ遺跡へ向かう。

ここの遺跡は中が広いために自転車で周れると聞いていたので、とても楽しみしていた。ここまで自転車で来た甲斐があったぜ、遺跡ショットを思う存分撮ってやろうではないか、と鼻息荒くチケットを買い、意気揚々と自転車ごと入ろうとしたところ、係員に止められた。

係員「ここから先は自転車で入れない。自転車はここに置いて中のレンタサイクルで借りなさい。」

わたし「ええー!なんでですか?このために遠路はるばる日本からやってきたんです(大げさ)。レンタサイクル代は払うからお願いしますお願いします。セニョール!!ポルファボール!!」

と、30分ほどごねてみたものの、決まりだからダメだ、の一点張りで一向に拉致があかず、とうとう泣き寝入りした。何年か前まではOKだったらしいのだが、現在は禁止されているようだ。残念無念である。

 

憤慨しながら中に入ったが、ここでレンタサイクルを借りるのも癪に障るので歩くことにした。歩きはじめるとまた大粒の雨が降ってきたので、洞窟のようなところへ駆け込み、雨宿りをする。泣きっ面に蜂とはこのことだ。

 

ユカタン半島で最も高いノホックムルピラミッドは高さが42mあり、数あるマヤ遺跡の中でも頂上まで登ることができる貴重なピラミッドであり、これを目当てにやって来る人も多いとだけあって常に人で溢れていた。急勾配で上を見上げると思わず足がすくむほど。身体の大きい人はなかなか大変そうだ。ところどころ崩れかかっている上に雨で濡れて滑りやすくなっているので油断はならない。

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頂上にたどり着くと地平線まで見渡す限りの森、森、森…。当時の支配者たちもこのような景色を眺めていたのだろうか。

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おばけみたいな木もあるよ。

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遺跡を後にしてトゥルムに向かう。出発した途端に大粒の雨が降ってきた。まあ、昨日シャワー浴びてないしちょうどいい…ということにしておこう。

 

途中にある村はハンモックやドリームキャッチャー作りが盛んで、面白いのでひたすら眺めていた。一度通り過ぎたが、やっぱり気になったので引き返して習わせて欲しいと頼んだのだが、やんわりと断られてしまった。そんなに簡単なものではないらしい。

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色も形もさまざまなドリームキャッチャー。元は北米ネイティヴのものだが、いつしかここユカタンでも作られるようになり、彼らなりにアレンジされている。貝殻を使ったものは風に揺られるとカラカラととても心地の良い音が鳴り、たいそう気に入った。

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今日はどこに泊まろうかしらと迷っていたところ、トゥルムにいるレベッカとネイサンから「今ホテルに泊まってるけどベッドがひとつ空いてるからよかったらおいで」というメールをもらった。彼らとは以前サンクリストバルで会い、いつか合流しようと言っていたのでありがたくお言葉に甘えることにした。 

6時過ぎにホテルに着き、(ちゃんとした)シャワーを浴びた。二人は昨夜海岸沿いでキャンプをしていたら雨が降ってきてテントが浸水したため、部屋一面に洗濯物やテントが干されていた。そこにわたしのものも加わったことで部屋はかなりひどいことになった。

ここのホテルは6時から1時間はフリードリンクがあったり、どこかのレストランのような立派な厨房があったり、フリーフードがあったり、となかなかいいところ。パスタとスープを作ってシェア飯とした。久しぶりに人と食べるご飯はおいしい。

 

4/20 Thu

海岸でキャンプをしようと目論んでいたのだが、雨の予報なのでこのままもう一泊することにした。

朝食はオムレツ職人がいたり、自由に焼けるホットケーキ、パン、シリアルなどもあったりして最高だった。

 

お腹いっぱい食べてから部屋に戻ってひとしきりだらだらし、出発しようとしたら雨が降り出した。お昼に止んだのでタコス屋を二軒はしご。特に二軒目トルティーヤがこれまでのものとは明らかに違い、行列ができるのも頷ける。

お腹も満たされたので海へ向かう。思っていたよりも天気がよく、青空も出ている。海岸を散歩してから海へ入った。ありえないほど透明度が高い。レベッカといろんな話をしながら波に漂っていると時が過ぎるのを忘れてしまうほどだった。

帰りに魚屋さんで鯛を買い、フリードリンクを飲みながらごはんを作る。煮付けの味付けに砂糖がないのではちみつを入れたら不思議な味になってしまった。刺身はうまかった。

 

8時からフリーのサルサレッスンがあると書いてあったので楽しみにしていたのだが、予定の時間を過ぎても何もはじまらず、その看板は片付けられ、なぜかフラメンコショーがはじまった。悉くサルサに縁がないわたし。でも生まれて初めて見るフラメンコショーは惚れ惚れするほど格好良くて、ここがメキシコであることをすっかり忘れてしまうのであった。

 

Day 334-335 Chitchen Itza to Coba

4/17 Mon

チチェンイッツアの遺跡は大変混むと聞き、キャンプ場から2キロ先にある遺跡までチャリンコをとばして8時の開場と同時に中へ入った。さすがにまだ空いている。

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中央にそびえるピラミッドは一面につき91段の階段があり、91段×4面+中央の神殿=365日を表している。北側の両側にはククルカン(蛇)の頭部の彫刻があり、春分の日秋分の日に太陽が沈む時、ピラミッドは真西から照らされ階段の西側にククルカンの胴体(蛇が身をくねらせた姿)が現れるようになっている。パソコンも機械もなかった1000年以上前の時代の人たちがそこまで計算に入れて建築を行なっていたというのは信じがたい話である。

他のツアーを案内しているガイドさんの話が耳に入ってきた。彼はスペイン人とマヤ人の間に生まれ、マヤ語を喋るしマヤの文化(狩猟など)も行うが、マヤの人たちは彼をマヤと認めてくれない。そこで結婚式をマヤのやり方でやったそうだ。

まず1回目はお互いにHolaと挨拶を交わすところから。2回目は彼女の家にパンやコーヒーなどをたくさん持って行き、彼女の母親同席のもとに会う。3回目に結婚を申し込み、それから半年の間に自分の手で家を建てなければならない。あまりに辛くて途中で投げ出しそうになったが、いろんな人から叱咤激励をうけてなんとか頑張ったという。

結婚パーティーは3日がかり。1日目は家族、親族、友人。2日目は近所の人たち。そして3日目は誰でもウエルカム。その間新郎新婦は24時間(72時間?)手足をつながれた状態で過ごさなければならない。それだけずっと一緒にいられるか試される場でもあり、結婚とはそのぐらいの覚悟が必要だという象徴のようなものでもあるのかもしれない。そして彼はこの儀式をすべて行ってはじめて「マヤ」として認められたそう。なんとも面白い話であった。

 

 

つづいて球技場へ。マヤの中では神々への生贄を決めるために、ゴムでできたボールを手を使わずに輪っかにくぐらせる球技が行われており、中でもここチチェン・イッツァの球技場は最大級である。ちょうどタイミング良く日本人ガイドの方が説明されていたのでまたもやちゃっかり紛れ込むわたし。

競技は7人VS7人で行われ、高さ8mのところにある輪っかにボールを入れたほうが勝つ。負けたチームのリーダーが首をはねられて生贄にされるというのだが、最近では生贄になるのは名誉なことだったので勝ったチームのリーダーだったのではないかという説が有力だとか。いずれにせよ血みどろの戦いである。また、全長165mもある球技場の端と端でどうやってコミュニケーションをとっていたかというと、壁に向かって叫ぶと、反対側の壁から声が反射して聞こえるのでそれを利用していたようだ。ちなみに球技場の中で手を「パン」と叩くと7回反響する。(7という数字はマヤにとって重要な数字だったよう)それにしてもこれらをすべて計算に入れて作っていたマヤすげー。すごすぎる。

あまりに感激したので売店でマヤの本を買ってから遺跡をあとにした。

 

宿に戻って荷物をまとめて出発…したのはいいが、コンビニで水を買おうとしたところ大きいサイズが売ってなかったので代わりに5kgの氷を買った。この灼熱地獄の中では氷も一瞬でお湯になってしまうので、少しでも冷たいものを確保できる名案だと思ったのだが…氷を狭い口の水筒に移すのが思いの外大変で、コンビニの前でガシャガシャと氷と格闘していたら小1時間ぐらい経っていた。何やってんだわたし。

気を取り直して13時に出発。相変わらず単調な道だが、今日は雲が多くて助かる。

Vallaloidというかわいらしい街に着いた。ここにとどまるか迷ったが、もう少し先にSuytunというセノーテがあるというのでそこまで行くことにした。プールとハンモックとセノーテがあり、プールの目の前でキャンプしていいと言われた(50ペソ)。最高のロケーション。セノーテは残念ながら18時に閉まってしまったので目の前のプールで泳いだ。スッキリ。

 

ユカタン半島、道はつまらんが毎日面白い宿?に泊まっている。

 

4/18 Tue

朝9時にセノーテが開くというので行ってみた。薄暗い階段を降りていくと天井から差し込む僅かな光に照らされ、セノーテが現れた。わたしの他に誰もいなく、時折聞こえる水音の他はしんと静まり返っている。よく見ると黒い魚影があちこちで揺れている。冷たい水に潜り込み、静寂の中にぷかりと浮かんだ。時が止まったようだった。

立ち上がると足元がフカフカであることに気づく。泥炭が蓄積しているようだ。思いつきで泥パックをしてみたら、肌がつるつるになった。

 

 

6時に起きたにも関わらず、セノーテで泳いだりネットの海で泳いだりしていたらあっという間にお昼になってしまった。

今日はジャングルを通ると思っていたが終始何もない道だった。コバという村に着き、テントを張れそうなところを探していると、おじさんが家の前に張っていいよと言い、家族総出で手伝ってくれた。そして犬がたくさん寄ってきた。

なぜだかクッキングセットをどこかで紛失してしまったため、空き缶で卵や米を調理してみた。火力が弱すぎたため、卵はなんとかできたが、米は失敗した。それにしてもこの方法だとビールをたくさん飲まないといけないなあ。困った困った。

 

 

 

 

Day 332-333 Merida to Piste

4/15 Sat

7:30に出ようと思ったのに起きたら7:30だった。ラファとたかしくんに見送ってもらった。ラファにTシャツをもらった。デカイ。

 

 

 

今日もだらだらと漕ぐ。昼頃セノーテという天然プールがたくさんある町につき、汗を流そうとひとつめのセノーテへ入ったものの、地元民でごった返していてぬるいし、あまりきれいじゃないのですぐに出た。

 

気を取り直して2つめのセノーテに向かう。途中から未舗装になり、手袋を落としたので拾おうとしたところ、チャリがひっくり返り、倒れたチャリを起こそうとしたらペダルがかかとに刺さって流血した。

ぐおおおお…!!と悶絶していたところ、通りがかったお姉さんが持っていたビールで洗い流してくれた。冷たいビール…ひと口ください…とは言えず、申し訳ないやらもったいないやら。かかとに口があれば飲み干したかった。

どうにかしてたどり着いた2つめのセノーテは人も少なく、ターザンロープがあったり、魚も泳いでいたりして楽しかった。まあぼっちなんですけど。ひとりでターザンロープで飛び込んでもちょっと悲しい気持ちになるだけだったので一回でやめた。

 

ここのセノーテはキャンプもできるらしく、ここで泊まるのもいいかと思ったが、まだ15時だしもう少し先に進むことにした。

10km進んだ村でごはんを食べ、そこからさらに10km先の村へ。宿やキャンプ場もないような小さな村だったので、警察署に入り、ここに泊めていただけますかと聞くと、奥に進んだところにテントを張っていいと言ってくれた。

言われた場所に向かって100mほど歩いて行くと、妙な視線を感じる。ふと右に目をやると、なんと檻の中に人がいた。二つの檻に男性と女性が1人ずつ入っていた。

 

!???

あまりのことに混乱して、咄嗟にhola!と挨拶をすると、向こうもhola!と返してくれた。どうやら悪い人ではなさそうだ。視線を感じながらテントを張り、ドキドキしながら夜を過ごした。深夜23時頃に再度檻の方に目をやると2人ともいなくなっていた。あれは一体なんだったのだろうか。

 

4/16 Sun

昨夜も激しい物音と暑さで何度も目が覚めた。ユカタン半島に入ってからキャンプでまともに寝られた試しがない。

今日は7時に出発した。やはり早起きはいいですな。涼しい。

なぜかアップダウンが地味にある。この前平らよりアップダウンがある方がいいとか言ったから引き寄せたのだろうか。

走っている途中に、ふとメリダで行こうと思っていたマヤの博物館に行き忘れたことに気付き、ちょっと後悔した。メリダではいろいろとやろうと思っていたことがあったのにビールとハンモックですべて吹っ飛んだ。

 

それからふと昔のことを考えた。わたしは昔からコンプレックスの塊だった。ガリガリで身体が弱く、とにかく自分に自信がなかった。アトピーがひどくなってからは対人恐怖症になった。人に見られるのが嫌で、自分を見るのも嫌で、鏡を見てはいつも泣いていた。挙句の果てには家中の鏡に紙を貼って見えないようにした。いつも妹がうらやましかった。かわいくて世渡り上手で、みんなから好かれて、何をやっても許されてしまう彼女のことをいつも羨んでいた。

今もコンプレックスはたくさんあるけれど、そんなことよりも元気で生きていることがすでに素晴らしいことなのだと思えるようになった。自分で選んだ道。小さな選択の積み重ねで、今私はここにいる。それを忘れてはいけないよな。後悔しても前を向こう。また次がんばればいい。がんばらなくてもいい。その時の自分の心の声に従うまでだ。

 

なんで急にそんなことを考え出したのかよくわからないけど、そんなことをぐるぐると考えているうちにチチェンイッツア遺跡の近くにあるピステという町に着いた。お腹が空いたのでPocchocというポークステーキを食べ、Piramid Innというバブリーな香りのするホテルでキャンプをした。

 

 

プールに入り、シャワーを浴びて洗濯をし、自転車のホイールの振れ取りをしていると、オーナーのジョンに誘われてごはんを一緒に食べた。アメリカ出身の彼もまた世界中を旅し、アメリカ、カナダ、香港、メキシコ、といろんな場所に住んできたという。渡り鳥のように軽やかに、旅するように生きる。いろんな生き方があるんだな。

 

 

 

 

Day 329-331 Campeche to Merida

4/12 Wed

3日間お世話になったRuthの家を出て、メリダへ向かう。この先はしばらく高速を進む。高速は路肩が広くて路面もきれいなので走りやすいのだが、景色は死ぬほどつまらない。しかしユカタン半島は街と街をつなぐ大きな道路は高速しかないので仕方ない。

途中でタマレス(トウモロコシやバナナの葉でくるまれた、メキシコ版ちまき)を食べ、しばらく走っているとPumuchというキムチみたいな名前のやたらパン屋が多い村に着いたのでパン屋に寄ってみた。パンはとてもおいしく、お店の人もやさしくて冷たいAgua de Jamaica(ハイビスカスウォーター)やPozol(カカオの飲み物)をくれた。ほぼお湯と化していたボトルの中にも氷をたっぷり入れてもらい、みんなに見送られながら再び走り出す。

 

高速はつまらないが、ところどころ村があり、おとぎ話に出てきそうな家がある。民族衣装を着ている人も多い。こういう村が好きだ。しかし小さな村には宿はなく、野宿ができそうな気配もないので、結局Calkinという町まで来た。教会に泊まれるところはないか尋ねると、なんとサロン(待合室?)を使わせてくれるという。5ペソでシャワーも浴びさせてもらい、至れりつくせりである。ありがとう神様!!

 

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4/13 Thu
代わり映えのしない高速の景色にすっかりやる気をなくしたので、村が出現する度に寄り道をしていた。2つ目に寄った村は帽子が有名らしく、広場には巨大な帽子のモニュメントがあった。走っていると客引きのお兄さんにつかまり、帽子工房に連れて行かれた。ヤシの葉を帽子の形に編む作業は洞窟の中で行われる。湿度が高いので作業がしやすいからという理由だが、こんなに蒸し暑い環境での作業は過酷だと思った。

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編み上がった帽子は機械でプレスして成型される。

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店の中にも外にも色も形もさまざまな帽子が所狭しと並び、わたしも買おうかと悩んだが、持ち運びが面倒そうなので諦めた。

 

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そのあともだらだら走ってたら、14時の時点でメリダまであと60km以上あるではないか。そこからスピードを上げて、どうにか暗くなる前に着いた。ネットで評判の良かったラファおじさんの宿にチェックインし、セントロのスーパーへ買い物に行く。野菜や卵を抱えてスーパーから出て、向かいの広場で焼きたてのワッフルをくるくる巻いてパリパリにして中にチーズやヌテラをいれるお菓子をたべた。

 

 

宿に戻ってビールを飲んでハンモックでゴロゴロしていたら、たかしくんという日本人の男の子が帰ってきた。彼はサルサカポエラ(ブラジルの格闘技)を習いながら3ヶ月ぐらい滞在しているらしく、これからマリアッチのギターみたいな楽器と衣装も買って、日本に帰ったらディズニーランドのダンサーになるという面白い子だった。

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明日はセマナサンタの目玉である"Via cruses"という「十字架をおみこしみたいに運んで立てる儀式」が行われるそうなので、せっかくならそれを見てみたい。

 

 

4/14 Fri

Via Crusesを見ようと、情報収集を試みるが、11時からだとか16時からだとか人によって言うことがぜんぜん違うので困る。一番信用できそうなポリスの人が14:30だというので、その時間に合わせて教会に行ったのだけど、なかなかはじまらない。だんだんと睡魔がやってきて面倒になったので買い物をして帰ることにした。ちなみに市場で魚を買って煮付けを作ることにしたのだが、なぜだかサメを買うことになり味噌汁とサメの煮付けと卵焼きを作ったけどあまりおいしそうでなかったので写真はない。

 

夜はたかしくんにサルサバーに連れて行ってもらう予定だったのだけど、土砂降りになったのと、お友達がやってきたので彼らのおうちのパーティーに行くことになった。そんなこんなで今日もサルサに行けず。つくづくサルサに縁のないわたしだけど、深夜までみんなで言葉当てゲームをしてたのしかったのでそれはそれでまあいっか。

 

 

 

 

Day 325-329 Sabancuy to Campeche

4/8 Sat

久しぶりにまともに寝られた。内陸から海へ抜けたわけだが、ここはメキシコ湾側で海はあまりきれいではない。でも風があるからなのか、海沿いだからなのか、北上したからなのかわからないけどだいぶ涼しくなった気がする。

 

I slept fairly well today. I came to the coast, but the Mexican gulf is not as pretty as the Caribean sea. But the temperature has become much better.

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途中で海の目の前のレストランに入る。チラキレスを頼んだ。トルティーヤチップスにソースがかかっている料理なのだが、これにさらにチップス(orトルティーヤ)が付くという不思議。チャーハンにごはんつけるみたいな?

 

i went into a nice restaurant with an ocean view. I ordered Chilaquiles, which is tortilla chips covered with sauce, but it came with more chips.

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昨日ダウンロードしたラジオ(爆笑カーボーイ)を聴きながら走る。これ、退屈な道にはなかなかいい作戦。走りながら爆笑していてキチガイ度は40パーセント増しです。

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休憩はココナッツウォーター

 

今日はどこまで走ろうか迷いつつ、Champotonという街で人でにぎわっているレストランがあったので、そんなにお腹は空いてないけど入ってみた。エビと牡蠣のカクテルを頼んだら、昨日とは比べ物にならないほど身がぷりぷりしておいしかった。

 

I arrived to Champoton, where I found a restaurant full with people. I ordered a cocktail and it was way more delicious than the one I had yesterday.

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そこから20kmぐらいダラダラと走り海沿いに絶好のスポット見つけたので今日はここにします。オーシャンビュー屋根付きの超優良物件。

 

After 20k, I found a nice spot just in front of the sea. This is my hotel for tonight.

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だいぶ涼しくなって幸せである。今日もビールがうまい。

 

Its so nice to have a cool breeze. And the beer is great.

 

4/9 Sun

カンペチェまで45km。今日も海沿いを走る。ユカタンに入ってはじめてアップダウンがあった。今までアップダウンはあまり好きではなかったのだが、これだけ平らな道はラクだけど飽きるしつまらんのでアップダウンすら嬉しくなる。道も人生も多少アップダウンがある方がたのしいでしょう。ジェットコースターみたいなのはいやだけど。

 

45k to Campeche. Yucatan is so flat and boring that I'm starting to appreciate small hills. 

 

途中でお腹が空いたので屋台でPollo Asado を頼んだら大量であやうく食べきれないかと思った。わたしとしたことが。

 

I ordered Pollo Asado and was surprised to find myself so full.

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昼間にカンペチェ着。メキシコシティでお世話になったOmarのお友達のRuthとご主人のHermesが迎えに来てくれた。

 

I arrived to Campeche before noon. Omar's friend Ruth and her husband Hermes came to pick me up.

 

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おうちに荷物を置かせてもらってからセントロへ行ってレストランでごはん。エビのスープとエンパナーダと魚介のグリル。どれも味付けが美味しかった。 

 

We went to the centro to have lunch. Very sweet people and nice food.

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二人が街を案内してくれた。ここカンペチェは要塞都市と呼ばれ、街の周りをぐるりと城壁が囲んでいる。かつてはこの壁のすぐ外は海だったらしいが、現在は街が広がっている。

 

They showed me around the town. Campeche is surrounded by a wall, and the water used to be just in front of the wall.

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その後いくつかの博物館へ。建築博物館ではマヤ語の解説がいくつかあっておもしろかった。

 

we went into few museums.

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夜にはまた違うレストランへ連れて行ってもらった。セマナサンタ最終日ということもあって、人が溢れかえっていた。Panuchosというユカタン半島名物は、見た目はタコスとあまり変わらないが生地が分厚く、具の下にフリホーレスという豆のペーストが塗られている。もちもちしていてわたしはタコスよりも好き。ちなみにこれとよく似たものにSalbuchesというのもあるのだが、あまりに似すぎていて何が違うのかよくわからない。

 

At dinner, they took me to a different restaurant. It was the last day of Semana Santa, and it was packed with people. Panuchos are typical food here in Yucatan. It looks like tacos but it's more tasty. I can't tell the difference between panuchos and salbutes. Mexican food is so confusing.

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あとこのお店のHorchata(お米とミルクのドリンク)が今までで一番おいしかった。

 

I had the best Horchata here.

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翌日もメルカドでPanuchosを食べた。ユカタン名物Relleno negro(真っ黒なカレーみたいな料理)味を食べた。これがとってもおいしいのなんの。

 

The next day we went to the mercado and had some panuchos again. This time I ordered relleno negro. It's so good.

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スパイス屋さんでRelleno negroの素(カレーのルーみたいなもの)を買ったので、日本に帰ったら作ってみたい。特にここカンペチェのメルカドにあるこのお店のRelleno negroはわざわざ遠くから買いに来る人もいるぐらいおいしいらしいので、作るのがたのしみだ。

 

A famous store where they sell condiments.

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すっかりお世話になったふたりにお礼がしたくて、和食を作ることにした。メルカドに行くと立派な鯛が売っていた。

 

I wanted to thank them so I decided to cook Japanese food for them. 

https://www.instagram.com/p/BSuDi2gg_tb/

どうしてくれようかjejeje...

 

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https://www.instagram.com/p/BSuOO9hAOM6/

メルカドで立派な鯛を見つけたので鯛の煮付けと鯛めしと刺身とあら汁と鯛の出汁巻を作りました。うんまーーーい!!!(メキシコで定食屋やるのもありだな)I found a very nice sea bream at the market so I made many dishes with it. Simmered, rice, soup, eggs, and sashimi. Yummm!!

 

夜はみんなでゲームのたくさん置いてあるカフェに行った。わたしのスペイン語の勉強になるようにと単語のゲームをやってくれた。周りの人にイエス・ノーで答えられる質問を投げかけて、頭に付けた単語(自分は見えない)を当てるゲーム。すごく盛り上がってたのしかった。

 

At night, we went to a cafe where they have many kinds of games. We played a game to guess what word you have on your head, by asking questions. It was very fun and also good for practicing my Spanish.

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あとはサルを落とさずに棒を抜くゲームとか

 

We also played other games. Trying to pull out the stick without dropping the monkeys.

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こういうのって言葉が通じなくても盛り上がれて、すごくいいコミュニケーションツールだと思った。テレビゲームよりもこういうアナログなゲームがいいですね。

 

It's a very nice way to communicate because we can enjoy it together even if we don't have a common language.

 

そんなかんじでカンペチェには結局3泊もさせてもらった。Ruthの息子さんが日本大好きらしいので(この時はいなかった)あいうえお表と名前を漢字で書き、筆ペンをあげた。後日、彼が寝るのも忘れて熱心に練習をしている写真をFBで見てとても嬉しくなった。

いつか日本に来たら会えたらいいなあ。

 

So I ended up staying three nights in Campeche. Ruth's son loves Japan, so I wrote his name in Japanese, and left a Japanese caligraphy pen for him. I was happy to see that he really enjoyed practicing it. I hope I see him one day when he comes to Japan.

5/7(日)報告会@東京 モンベル御徒町店

いよいよ旅も残すところ1ヶ月を切りました。

そしてこの度、帰国直後の5/7(日)にモンベル御徒町店サロンスペースにて報告会をさせていただくことになりました。

詳細は下記をご覧ください。

GW最終日、お忙しいとは思いますが、もしお時間ありましたらぜひ足を運んでいただけたらとってもうれしいです。

一緒にイベントを盛り上げてくださる西川昌徳さんは自転車旅人を仕事にされているめちゃくちゃ面白い方です。

↓西川さんの紹介記事です。

入国拒否に強盗襲撃…自転車旅はトラブル続き。だけどやめようとは決して思わない――“自転車冒険家”西川昌徳の「僕が自転車で世界を旅する理由」 season1 - リクナビNEXTジャーナル

 

以下詳細です。

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2016年5月から約一年にわたり、北米&南米(カナダ、アメリカ、ペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチン、キューバ、メキシコ、約10,500km)を自転車で走ってきました。道中見てきた各地の持続可能な社会に向けた取り組みや現地の人たちの暮らし、先住民の知恵や技術、自転車旅ならではの苦労や喜び、そして旅を通しての出会いなどの体験を伝えるとともに、ブログ、Facebookで応援していただいた方々に活動報告としてお話を聴いていただきたいと思っております。
また、同じく自転車旅人の西川昌徳氏をお迎えし、お互いの旅でのエピソードを交えて、自転車旅の魅力をお伝えしたいと思っています。
なお、今回の旅に当たっては「モンベルチャレンジ支援」のサポートを受け、この報告会も会場を使わせていただく運びとなりました。重ねて御礼申し上げます。

 

青木麻耶
1986年生まれ 神奈川県横浜市出身。農学部森林科学科卒業後、某大手メーカーに勤めるも、「パソコンいじるより土いじりたい」と思い立ち、山梨県都留市に移住。NPO法人で農業や食品加工、子どもキャンプ、馬耕、セルフビルドのワークショップなどに携わる傍ら、趣味で狩猟(わな)をはじめ、ジビエ料理や皮なめしを研究する中で、先人の知恵や文化に興味を持つようになる。
2016年5月より、念願の南北アメリカ自転車縦断の旅に出る。その土地に住む人たちの文化、食、民芸、持続可能な暮らし、昔ながらの知恵や技術を見聞きしながら8カ国、約10500kmを走破。

 

西川昌徳
自転車旅人
1983年兵庫県姫路市出身 徳島大学工学部卒業
これまで11年間で世界27カ国80300kmを走破。
「旅するように生きること」をテーマに自転車で世界を旅するなかで生まれた出会いや経験を伝える活動を続ける。ICTを用い世界のいまを伝える「教室が世界とつながる」Skype授業を日本各地の公立小学校の年間カリキュラムとして実施。福島県特別非常勤講師。福島県新地町ICT活用協議会アドバイザー。2014年ファウストアドベンチャーズAG社会貢献活動賞受賞。

 


日時 5月7日(日)15:00-17:00
(終了後、お時間ある方は交流会にも参加いただけるとうれしいです)

場所:モンベル御徒町店サロンスペース
https://goo.gl/maps/QaMW87TxAFo

予約:コメントもしくはmayataro811あっとgmail.comまでメールをお送りください。
当日参加も大歓迎ですので、お友達もお誘いいただけるととっても嬉しいです!

定員:50名

参加費:モンベル会員 500円、非会員 1000円

Day 322-324 Palenque to Sabancuy

4/5 Wed

昨日は暑さと蚊とアリのせいでほとんど眠れず、5時過ぎに起きて暗い中支度をして7時過ぎに出発。暑くなる前にできるだけ距離を稼ぐ作戦。110km先に町があるのでそこを目指す。自転車にまともに乗るのはキューバ以来、1ヶ月ぶり。

 

I couldn't sleep well because of the heat and mosquitos. I woke up at 5am and left at 7. Trying to go further before it gets hot. There is one town in 110km. I haven't rode my bike for one month, ever since Cuba.

 

 

予報通りの灼熱地獄。アスファルトから照り返す空気はサウナのごとく身体中を包む。気温もさることながら、湿度が高いのがキツイ。
寝不足と暑さで意識が朦朧とし、気付くと中央線付近、ということが幾度かあった。車がいなくてよかった…

The weather forecast was right. The heat coming up from the ground made me feel as I was biking in a sauna. It's the humidity that makes it even worse.
I felt so sleepy that sometimes I found myself in the midline. Thanks god there were no cars.

 

 

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なにこれこわい…

 

目的地まで15kmのところで水が切れかけ、たまたまあった建物(このあたりは建物や木陰すらほとんどない)の日陰に避難しようとしたところ、中から人が出てきて冷たい水やらフルーツを振舞ってくれ、さらにクーラーの効いた部屋で休ませてくれた。あなたは神様ですか…

世間話をしながら結局1時間半くらいゆっくりさせてもらった。

 

I almost ran out of water 15km before the town, when I found a building. There are hardly any buildings nor even trees around here. I tried to hide myself in the shade when a man in the building came out and kindly invited me inside. He gave me iced water and fruits, and let me rest in an air-conditioner room. He seemed to me like a god. 

 

 

そこからさらに1時間ほど走ったところでガソリンスタンドを発見。本日のお宿はこちらに決定。シャワー&トイレ付きです。

 

After an hour, I decided to stay in a gas station where they have showers and toilets.

 

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ごはんを作ろうとしたらクッキングストーブが見当たらない。またどこかで落としたのだろうか。オコメタケナイ…ミソシルノメナイ…ワタシカナシイ…。

一眼レフ、iPad、テント、防水デジカメ…わたしはこの旅でいったい幾つのものをなくしたのだろう。まあでも一番大事なものはまだなくしていないので良しとしますか。(ぜんぜん良くないけど!)

 

I tried to cook dinner but I couldn't find my camping stove. I don't know where I lost it. I've lost so many things on my way... A camera, an iPad, a tent, another camera, and now a camping stove. Well... at least I haven't lost the most important thing yet.

 

夜テントを張っていたら、ここは危ないから中(トイレの前)に入るようにと言われる。窓もすべて締め切られ、カギもかけられてしまって暑かったが、直後に土砂降りになったので屋根があって良かった。

明日も暑いのかな…

 

I pitched my tent outside but a guy came to tell me sleep inside (in front of the toilets) because it's dangerous here. It was so hot inside, but it started raining after a while so I might be lucky.

I wonder if it's always hot like this.

 

 4/6 Thu

結局トイレの前は暑くて今日もぜんぜん寝られなかった。5:30から準備をしてバナナとマンゴーを頬張り、7:00過ぎに出た。

今日は曇り空で時折雨がパラつく。おかげで昨日よりだいぶ涼しい。しかし昨日からずーっと平らで景色がつまらん。瞑想するにはいいかもしれない。

 

 It was so hot that I couldn't at all. I left around 7am again.

Its a nice cloudy day with sometime a shower of rain, which makes it much comfortable. However, the scenery doesn't change at all from yesterday. It's so boring. It's a nice road for meditating.

 

 

70km先のレストラン、Los Tucanesに到着。サンクリで出会い、わたしの先を走っているカナダ人チャリダーカップルに、ここでキャンプできると教えてもらった。プールもあり、孔雀がカジュアルにいる。しかもキャンプはタダ。なんですかここは天国ですか。とりあえず近くの湖で水浴びをしてからレストランで久しぶりに魚を食べた。

 

I arrived in a restaurant, Los Tucanes, where they have swimming pools and many peacocks. Rebekah and Nathan, a Canadian cyclist couple told me about this place where you can camp for free.

I enjoyed having a relaxing time eating at the restaurant, drinking beer, and watching the peacocks.

 

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孔雀がカジュアルにいる…

 

夕飯もレストランで食べたので結局なんだがんだで宿に泊まるぐらいのお金を使ってしまったけれども。

自炊できないのが本当にイタイ。せっかく奮発して1000円近くするガスを買ったのに。お米も買ったのにどうしましょう。

 

I also ate dinner so I spent almost as much as staying in a hostel.

It's too bad that I lost my stove. I bought expensive camping gas and rice but now I have no way to cook it.

 

夜中あまりの暑さに目が覚め、プールに忍び込んでからテントの横にマットを敷いて寝た。案の定蚊にやられまくった。

 

At midnight I woke up again because it was so hot, and I jumped into the swimming pool to cool down and layed down beside my tent. Sure enough I was favored by the mosquitos.

 

 

4/7 Fri

そんなわけで朝起きたら目が開かないほど腫れていた。最近ハマっている恋ダンスを練習しながら走っていたら、分岐に気付かずに5kmほど進んでしまった。このままルート変更するかどうしようかと思いつつさらに2kmほど進んだが、結局引き返した。

 

So I got so many bites on my face that I could hardly open my eyes.

I was listening to music and practicing dancing so I missed the turnoff and had a 15km loss.

 

 

途中の小さな村でおばちゃんがエンパナーダを売っていたので食べた。もう一人のお友達らしきおばちゃんが揚げバナナをくれた。そしていろいろ話しているうちに、結婚してるのか?うちのお兄さんどう?わたしの息子もオススメよ?さあ、どっちを選ぶ?とひたすら聞いてきた。面白い人たちだ。

 

I found a woman selling empanadas on the way. She was with her friend, who gave me fried bananas. They asked me if I am single, and they each recommended their brother or son, and asked me to choose either of them. So funny people.f:id:mayataro811:20170501210641j:image

 

そこから40km先のSabancuyという海沿いの町に着いた。おいしいパン屋さんを見つけ、そのパン屋さんに教えてもらった宿に行ってみる。シングル250ペソと少し高いが、ここ最近暑くてまともに寝ていないし危険なのでしっかり寝よう。

 

I arrived at a small town Sabancuy.

I found a nice bakery, and went to the cheapest hostel he told me. It was 250pesos, a little bit on the pricy side for me, but sometimes it's better to rest especially because I haven't slept well for the last few nights.

 

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海辺の町だからきっと海鮮がおいしいだろうと思ってエビのカクテルを頼んだけど、冷凍でした…

 

I thought they have nice seafood because it is a town on the coast, but I was disappointed to find out that the shrimp were frozen...

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ホステルに戻る途中でお店の親子に呼び止められる。日本人はネズミやカエルを食べるんでしょ?と聞かれた。昼のエンパナーダのおばちゃんたちにも全く同じことを聞かれた。どんなイメージなんだろう。まあわたしは食べたことありますけど、一応日本人を代表して食べないよとお伝えしました。

 

I was on the way back to the hostel when a lady and her daughter talked to me. She asked me if Japanese eat mice and frogs, and I told her that's not general. (Though I have eaten it)

 

今日こそちゃんと寝られますように。

 I hope I can sleep well tonight!!

Temazcal

「テマスカル」をご存知だろうか。真っ暗な空間の中で焼け石に水をかけ、サウナのようになった室内で心身を清める儀式。いわゆる「スウェットロッジ」の一種である。

 

サンクリの民芸品市場を歩いていると美しい太鼓に足が止まった。その太鼓を作っていた彼の名はHermano sol。聞けばそれは「テマスカル」に使われる太鼓だという。そしてなんと翌日に近くでテマスカルが行われるという。以前から気にはなっていたものの、なかなか受ける機会がなかったのだが、まさかこんな形で出会えるとは。

 

翌日、同じ宿に泊まっていた友人とオーガニックマーケットでフルーツと花を買ってから向かった。

 

山々に囲まれた美しい景観の真ん中に建つテマスカル小屋。一般的には石や土で出来ていることが多いようだが、ここのはドームテントのような形であった。小屋の前では火が焚かれ、石が熱されている。

 

我々を含めて15人ほどいたかと思う。火に熱された石を囲んで円になる。

「石はわたしたちのabueros(おじいさん、おばあさん)。なぜならずっと昔から地球にいて、たくさんのことを知っているから。」

一人ずつ、今の自分の在り方を胸に、そっとタバコの葉を石=abuerosに捧げる。ハーブの入った水で身体を清めてもらってから、一人ずつ小屋(擬似子宮)の中へ。

 

暗闇の中で、煙と蒸気に包まれ、歌と太鼓を奏でること3時間。身体だけでなく、心の毒素もすべて洗い流され、擬似子宮の中から出たときはまさに生まれ変わった気がした。そして自分の中から沸き起こってきたのは、これからどんな世の中になろうと「大地とつながって生きていきたい」という感覚。とても心地よくて豊かな時間だった。

ただひとつ、こんび太郎ができるのではないかというほど垢が出たのでこれからはちゃんとお風呂に入りたいと思いました。
Temazcal is a type of sweat lodge among the Mayans. I felt that not only my body but also my soul has been purified after all the ceremony. Such a special experience.

 

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