出発直前

わたしは関東在住だが、なぜか関空発の便を予約してしまったので夜行バスで大阪に向かっている。先ほど新宿で3度目ぐらいとなる壮行会を開いてくれた友人たちが、バスターミナルまで見送りにきてくれた。周囲の人からすれば、たかだか大阪に行くのになんでこんなに盛大に見送ってるんだ？とさぞかし不思議だっただろう。実際かなり浮いていた。最高の友人たちに恵まれてわたしは本当に幸せです。ありがとう。

思えばここにくるまで、長かったようなあっというまのような。世界を自転車で走りたいという願望は、ずっと昔から心のどこかにあったけど、日々の仕事や暮らしに終われ、先延ばしにしていた。昨年仕事を辞めたのを機に、やるならもう今しかないという想いと、30歳という節目を迎えるこの年に、自分の価値観とか常識とかそういうものを一度全部壊してリセットしたいという想いが重なって、このタイミングになった。

会いたい人、行きたい場所。いつかといっても人生何があるかわからない。いつ訪れるかわからない「いつか」ではなく「今」を生きたいと思った。

今年に入ってから、日本中の会いたい人にたくさん会った。たまにしか会えないあの人も、毎日顔を合わせるあの人も、「もしかしたらこれが最後になるかもしれない」と思うとその人と過ごす時間が愛おしくて大事にしたくなる。そしてわたしは本当にたくさんの人に支えられて生きていることを実感した。みんなが心配しながらも応援してくれる。本当にありがたい。だから何があってもみんなの期待を裏切らないように、元気で帰ってこないといけないと改めて心に誓った。

不安をあげればキリがないけど、いつも心の中にワクワクをもって、いろんなものを見て、感じて、それを自分だけのものにせず、みんなと共有して、そしてこれからの暮らしで実践していけるような、そんな旅にしたいと思っている。