まやたろの体当たり日記 Wanderlust

東京銀座のOL→山梨で農業と狩猟をはじめる→2016北米&南米自転車縦断→2017夏全国キャラバン→2019秋「なないろペダル」(出版舎ジグ)刊行!

Day0-1 Leaving Japan

July 11 Wed
 
出発の朝。とろけるように暑い日だ。
Time to leave. It's melting hot today.
 

 

 
福岡の師匠の家に向かうという相方に便乗して、自転車と荷物と鶏を積み込んで出発。
11時に出発の予定が2時間も遅くなってしまい、このままだと日没までにつかないからもう少し先まで送ってほしいというわたしの要求はあえなく却下され、ふてくされるわたし。
結局うきはの少し先のコメリで降ろしてもらったが、ちょうど自転車の荷ゴムやミラーのボルトが不足していたので「コメリでよかったねー」と笑い合う。
 
今から出発してはどのみち日没にはたどり着けなさそうだし、この暑さの中では夕方スタートでよかったのかもしれない。起こることにはすべて意味があるのだ。きっと。
 
My partner gave me a ride half way to the airport.
I got off 50km before Fukuoka, in front of a hardware store where I bought some supplies and got ready.

16時に出発。ひさしぶりの荷物満載の車体は重く、右に左にふらつく。
バンクーバーに降り立ったあの日と同じだ。
I haven't been on a fully equiped bike for a long time, which made me winding.
just like I did when I first arrived in Vancouver. 
 
おととい自転車を整備していて薄々気づいていたのだが、どうやらフロントディレイラー(前の変速機)のねじが飛んで、変速できなくなってしまった。
仕方ないので後ろの変速機だけでがんばることにした。
 
福岡まで50km、幸いほとんど坂もなかったが途中で自転車やさんに寄って見てもらうことにした。
 
ところがそこで衝撃の事実が発覚。
 
わたしの変速機は3×9段で前が3段なのだが、このタイプは古いらしく、最近は2段が主流のため、3段の変速機の在庫がないのだという。
 
慌てて他の自転車やさんにも何軒かかけてみたが、どこにもない。
シマノ製は海外で買ったら高いからねー。いっそ現地で新しい自転車を買った方がいいんじゃない?」と身もふたもないお言葉をいただきながらお店を出た時は既に暗くなりかけていた。
 
I realized few days ago that something is wrong with my front derailler.
Fortunately, there were hardly any hills that helped, but I went into a bike shop to got it checked.
And he told me that this derailler that I use is so old that they barely have these days, and would be very hard to find in any bike shops.
He even suggested me to get a new bike in New Zealand, (but what should I do with this bike !??)
 
 
目的地に着く数キロ手前でまたもや自転車やさんを発見。すがるような想いでパーツがないかを聞く。
残念ながらそこにも探していたものはなかったのだが、お店のお兄さんが感動的にいい人で、営業時間が過ぎているのにも関わらず、丁寧にブレーキや変速機の点検をしてくれて(しかもタダで)、お礼のつもりで買った鍵も割引してくれて、冷蔵庫から冷えたリポDを手渡してくれた。
聞けばなんとお兄さん、今日がこのお店で勤務する最後の日で、このお店自体今月いっぱいで移転になるそうだ。なんだか不思議な縁を感じずにはいられなかった。
 
I found another bike shop on the way, and asked if they have it.
Unfortunately, they didn't have it as well, but the staff was so kind and he checked all my brakes and gears for free, gave me a discount for a bike lock, and handed me a cold drink.
To a surprise, it was his last day to work at this shop and the shop itself will be relocated by the end of this month.

 
 
本日の目的地は福岡市内に住む幼馴染の両親宅。
1月にヒッチハイクで福岡に来た時もお世話になったところだ。
 
ビール片手に到着したのは22時。「よく来たねー」とお父さんが出迎えてくれた。お風呂に入ってさっぱりし、熱々の手羽唐と餃子、そして以前わたしが送った鹿肉で作ったカレーを出してくれた。以前地元でお店をやっていただけあって、どれをとってもおいしく、疲れた体に染み渡る。
 
Today I will stay at my friend's parent's house.
It was almost 10pm when I arrived to their house.
They warmly welcomed me with a hot bath, and delicious food--fried chicken, gyoza, and venison curry (using the venison which I sent before)!! 

 
お母さんに竹のアクセサリーを見せたところ、とても気に入ってくれたのでお礼に作ることにした。完成間近で失敗してしまい、一から作り直すことに。
出発に間に合うといいのだけれど。
 
I showed the bamboo accessories which my friend's mom liked, so I decided to make one. I hope I finish it before I leave...
 
Jul 12  Thu
いろんなことが頭をぐるぐる駆け巡り、さらには暑さも手伝ってほとんど眠れないまま朝を迎える。
自転車はちゃんと受け付けてもらえるだろうか?何か忘れていることはないだろうか?
やることが大胆(なように見える)な割に小心者のわたし。
 
調べている間に、ワーホリビザで入国するには4000ドル以上持っているという証明が必要になることがあるだとか(そんなもんないし)、
食品やアウトドア用品、植物の持ち込みはハードルが高く、虚偽の申告をしてバレた場合は400ドルの罰金や入国拒否もありえる、
などどいうことがわかって(竹とか靴とか梅干しとかいっぱいある)、そんなことを知った日にはますます目は冴えてくる。
 
I couldn't sleep well not just because it was too hot, but also because I was starting to worry about many things. Would they let my bike on? Don't I have anything that I forgot? Would the immigration let me in with the bamboo and outdoor gear...?
 
ゴロゴロしていても仕方ないので昨日振り出しに戻ってしまったアクセサリー作りに取り掛かる。
さすがに2回目はスムーズにいき、お母さんの分に加えて、今度お盆に帰省するという3姉妹の分も作った。
 
I decided to wake up and started to finish the accessories.
I also made some for my friends, who will come and visit their parents this summer.

 
足りないものを買い足し、自転車のダンボール箱探しに手間取っている間にタイムリミットが差し迫っていることに気づく。
お仕事が休みだというお父さんが空港まで荷物とダンボールを運んでくれたおかげで、本当に助かった。
(そうでなければダンボールを乗せて空港まで歩いていくつもりだった。)
I went shopping to get few things missing, and to find a cardboard box for my bike.
Thanks to my friend's mom, who helped me carry the box and my luggage to the airport, I was able to make it in time. (Otherwise I would have been walking my bike with the big box and luggage)

 
輪行も久しぶりで、左のペダルがなかなか外れなくて15分ぐらい格闘した。
その後は比較的スムーズに解体が進み、45分ほどで箱詰め完了。
チェックインカウンターに並ぶのはわたしでほぼ最後だった。
心配していた自転車も、必要以上に厳重に丁寧に扱ってくれて、さすが日本!と思った。
I almost forgot how to box my bike, and it took me 15 minutes to get my pedals off, but it was rather fast after that.
The staffs at the check-in counter took good care of my bike.
 
経由地のマニラ空港に到着。フィリピンにははじめて来たが日本の空港以上に快適だった。
 
 
 

 

 

 

フィリピン航空には正直特に期待もしていなかったが、
マニラから乗った機体は新しく、モニターもあった。
懐かしのフルハウスに爆笑し、フォレスト・ガンプに泣き、
次から次へと運ばれて来る機内食に満たされている間に、日は沈んでまた昇り、
無事にオークランド空港に着いた。
 

 

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