れいわ新選組とPerfumeの共通点
参院選が終わってもなお、れいわ旋風が吹き止まない。
れいわ新選組は日本の政治を大きく変えたと思う。
選挙前日の新宿街頭演説に駆けつけた時、なんだか懐かしい感覚がした。
立候補者と聴衆のコール&レスポンス。ピンク色のうちわを掲げて応援するさま。
終了後のツーショットを撮るための長蛇の列……。
そうか、これはライブなんだ!
それは好きなアーティストのライブに行く感覚に近い。
YouTubeでもライブ配信はされているし、もう何度も同じ話を聞いているはずなのに、それでもわざわざ足を運んでしまうのは、やはり生で会いたい、その場の熱気を味わいたいからなのだろう。
学生時代、わたしはPerfumeの熱烈なファンだった。
ファンクラブに入り、CDやDVDは当然予約して初回限定版を買ってポスターをもらい、全国ツアーとあらば地方公演までおっかけてしまうほど。Tシャツやタオルなどのグッズを買い集め、多い時は年に10回ぐらいライブに行った。
Perfumeの魅力は、プロデューサー・中田ヤスタカ氏が作るバッキバキのテクノポップと、振付師・MIKIKO先生による奇抜でキレッキレなダンスの素晴らしさは言うまでもなく、彼女たちの人間性やキャラクターによるところも大きい。ファンクラブ会員限定で見られる動画にも彼女たちが広島弁でじゃれあう様子が存分に収録されていて、ファンとしてはそれを眺めているだけでニヤニヤと幸せな気持ちになってしまうほどなのだ。
そうした魅力を一人でも多くの人に知ってもらいたいと思って、わたしは熱心に普及活動をしていた。友人知人にCDを勧め、動画を見せ、一緒にライブに連れて行った。そうしてまたファンが増えて行くことに大きな悦びを感じていた。
彼女たちが他のアイドルと大きく違うのは、自分たちの意思で、アクターズスクール広島時代だった12歳の時にユニットを結成し、それから20年近くずっと苦楽を共にして来た。今でこそビッグアーティストとなったが、上京当初は全く売れない、解約ギリギリの崖っぷちアイドルだった。秋葉原でビラを配ったり、路上や商店街でライブをしたり、といった地道な下積み生活があったのだ。だからこそその結束力は半端じゃない。
わたしは彼女たちがある程度メジャーになってからのにわかファンではあったけれど、それでもはじめは小さなライブハウスだった会場が徐々に大きな公会堂になり、武道館やドームになり、そしてついには海外進出…!という絵に描いたようなサクセスストーリーを目の当たりにして、感動せずにはいられなかった。最近はほとんど聴かなくなってしまったけれど、今でもPerfumeは好きだ。
れいわ新選組もまた、既存のマスメディアに頼ることなく、寄付を集め、グッズを売り、ビラを配り、街頭演説をし、地道な選挙活動を行ってきた。
選挙戦がはじまってからというものの、わたしは毎日のように山本太郎氏や大西つねき氏の動画を見まくっている。
「こんなに素晴らしいから一度演説を聞いてみて!」と思わず勧めたくなってしまうのは、「このアーティストいいから一度曲を聴いてみて!」というのに近い気がする。
そしてテレビや新聞で取り上げられないから、まだあまり知られていないからこそ、一人でも多くの人に知ってもらいたいという気持ちもある。
彼らのビジョンや政策はもちろん、個性豊かなメンバーや演説から滲み出てくる人柄や想いに惹かれた人も多いだろう。そして支持者たちの輪はまたたく間に拡がり、たった3ヶ月で寄付金4億円と228万票を集め、2人の国会議員が誕生した。
選挙を終えて政党要件を満たした今、一気にインディーズからメジャーデビューを果たした。今朝は地上波としてはじめて、テレビ朝日の「羽鳥慎一のモーニングショー」にて生放送で山本太郎が出演したのだ。
メジャーになったといえ、まだまだ先は長い。これからが勝負だ。
彼らの出現によって、今まで遠くにあった政治がグッと身近になった。
アーティストの話で盛り上がる感覚で、政治の話がカジュアルにできるような土壌が生まれつつある気がする。
彼らがそろって武道館、でなく国会議事堂に立てる日はくるのだろうか。
そのサクセスストーリーを見守っていきたい。