まやたろの体当たり日記 Wanderlust

東京銀座のOL→山梨で農業と狩猟をはじめる→2016北米&南米自転車縦断→2017夏全国キャラバン→2019秋「なないろペダル」(出版舎ジグ)刊行!

まるで万里の長城? ジャイプールの要塞 Jaigar Fort


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インド旅ブログを書き終えていなかったことに薄々気づいていたけど気づかないふりをしていたので今更ながらあげて行きたいと思います。

遡ること2ヶ月、3月13日のこと。

迫りくるコロナさんの影に、半ば追い出されるような形でバスに乗り込んだ。 

www.mayataro.life

 

ジャイプールまでは4時間ほど。
休憩時間にトイレに行こうとして降りて、トイレの場所を何人かに尋ねたら、みんながみんな違う方向を言うので危うく漏れるところでしたよ。

知らないなら知らないと言ってほしいものです。(#インドあるある)

 

車内で隣に座った女の子と仲良くなり、ラジャスターンの言葉、Rajasthani(ヒンディー語の方言)を教えてもらった。
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ちなみに一番おすすめされたフレーズは

मुझ पर विश्वास करो
(mujh par vishvaas karo)

わたしを信じて!という意味らしい。
そんなのあまり使う場面なくないか?って思ったけど「いやいや、ぜったい覚えたほうがいい!役に立つから!」とゴリ押しされたので、なんだかちょっと怖くなりました。


昼過ぎにバス停に着き、そこから20分ほど歩いて予約していたゲストハウスへ。
ゲストハウスはすでに厳戒態勢で、日本人だと言うだけでメディカルチェックを受けろと言われる。結果的に「明日の朝医者が来るからちゃんと診てもらうこと」と「自分の部屋以外の共用部分はすべて使わないこと」を条件に泊まれることになった。前者に関してはむしろ診てもらえるのならラッキーと思っていたけれど、何度尋ねても結局医者は来なかった。(#インドあるある)

人気のゲストハウスということで楽しみにしていたのだけど、他のゲストはほとんど見当たらず閑散としていた。


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 まあ仕方ないね

 

朝から何も食べていないのでお腹がペコペコ。
荷物を置き、近くの食堂に入りターリー(定食)を頼む。
奮発して豪華なターリーにしたらなかなかのボリューム。


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これで約200円

 

つづいてピンクシティの中心部のバザールへ。


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南インドの比にならないくらい客引きがしつこい。

変な操り人形みたいなのを持ったお兄さんが

2つで300ルピー!安いよ!

大丈夫です

 

じゃあ2つで200でいいよ!安いよ!あなただけのスペシャルプライス!

 

いや、大丈夫です

うむむ、じゃあ2つで100でどうだ!

だから値段じゃなくて、そもそもいらないんだってば!

みたいな不毛なやりとりを何度もする羽目になって非常に疲れる。

それでもせっかくここに来たからには、「インド更紗」をしこたま買って帰ろうと思い、あちこちの店を物色。見ているだけでも目移りしてしまう。

比較的平和な店に入って服やらスカーフやらあれこれ買い込んでいるうちに、辺りはすっかり暗くなっていた。

 

宿に戻ると同じ部屋にイタリア人のアンドレアがいた。というか12人部屋なのに2人しかいなかった。

上下黒い服にちょび髭を生やした彼は、フレディ・マーキュリーそのものだった。イタリアでは某有名ブランドのファッションデザイナーをしているという。すっかり話が盛り上がり、翌日は染色を見るために近くの村に行くつもりだったけれど、彼が行こうとしている場所も面白そうなので予定を変えてついていくことにした。


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翌朝、近くのホテルで朝食バイキングを食べ、リキシャーとバスを乗り継ぎ、まずはAmber Fortへ。

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入り口でチケットを買うか悩んでいたら、日本語の堪能なガイドさんに乗せられてガイド付きでまわることに。結果的にこれがすごくよかった。


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ここは1727年に当時の王様が築き、そこから3代に渡って住んでいたお城。


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最初の王が長さ13kmに渡る城壁を二十数年かけて作り、次の王が夏季・冬季・雨季それぞれの気候に適した3つの宮殿を作り、そして最後の王が入り口の月の門・日の門を作ったという。

至る所に装飾が施されていて、草木由来の塗料は5年ごとに塗り直さないといけないけれど、ルビーやサファイヤのような鉱石由来の塗料はこの380年間一度も塗り直していないらしい。


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赤がルビー、青がサファイヤ、緑がエメラルド

随分と贅沢な塗料だなと思うけれど、ここジャプールは別名「ジェムシティ(宝石の街)」としても有名で、世界中から宝石を買い付けにくる人もいるほどよく採れるのだ。

 

最初に入ったのは冬の間。壁一面に鏡が貼られ、ろうそくを灯すとあたり一面がキラキラと光り輝く空間になっていたようだ。大理石の上で直接火を焚いて床を温め、防寒用のカーテンをかけることで寒さをしのいでいたという。


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次の夏の間には大理石よりもさらに冷たい、石灰岩とヨーグルトとはちみつを混ぜた石が使われていた。


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見た目も涼しげな夏の間


大理石はここジャイプール周辺900箇所で採れるのでべら棒に安く、幅30cm×長さ100cm×厚さ5cmくらいの大きさのものが、一枚なんと100ルピー(約150円)以下らしい。したがって本当に何もかもが大理石でできている。


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夏の間・雨の間には日よけ・雨よけに草のカーテンをかけていたそうだ。

他にもインドの性典・「カーマスートラ」の話や、最初の王には12人、2代目には2人の王女がいて、毎晩王が順番にまわっていた話なども面白かった。

 

 

ガイドさんにお礼を告げて食堂へ。
ペーパードーサという薄焼きのものを頼んだら想像以上に巨大なものが登場した。

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お腹も満たされていよいよJaigar Fortへ向かって長い坂道を上っていく。

アンドレアはインド人(男)に大人気で、すれ違うごとに
「そのピアスはなんだ?そのヒゲはほんものか?」と興味津々に話しかけられていた。彼もまたまんざらでもなさそうに
「インド人の男はイケメンばかりだなあ〜女はまだ一人として美しい人を見ていないけど」と目をキラキラさせていた。

 

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見たことのない猿がたくさんいる。
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頂上からの眺めが最高。
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まるで万里の長城のよう。インドにこんなところがあったなんて、全く知らなかった。アンドレアについてこなければ絶対に来ることはなかった。

ここに導いてくれてありがとう。


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街に戻ってラッシーを飲んだ。
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朝も昼も食べすぎてしまったので、夕飯はいいかなと思っていたけど、アンドレアが最後の夜だというので食べに行く。


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軽めのつもりがけっこうなボリューム。そして激辛。

この日から一週間に渡って腹痛に襲われることを、このときはまだ知らない。

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