パラグアイのスタンプラリー【永住権申請の仕方】
ニューヨーク、チリのサンティアゴで2回の乗り継ぎを経て43時間かけてパラグアイの首都・アスンシオンに降り立った。
真冬の日本から真夏のパラグアイへ。昼夜も季節も真逆な、地球の反対側はさすがに遠かった。
空港を出るとモワッとした熱気に包まれる。暑い。とにかく暑い。何もしなくても汗が吹き出て来る。去年の夏をニュージーランドで過ごした私にとっては実に2年ぶりの夏だ。
バスに乗って今日からしばらくお世話になる日本人宿、「民宿らぱちょ」さんに向かう。オーナーのゆきこさんとは日本を出る前から永住権申請やパラグアイの情報を事細かく教えていただいていた。
そしてらぱちょには友人のちえちゃんも泊まっていた。ちえちゃんとはわたしが南米をチャリ旅していたときに、チリの日本人宿で出会ったのだが、その後パラグアイ人の彼氏ができて昨年の10月に永住権を申請したばかり。ちょうどそろそろ永住権ができる頃なので移民局に取りに行くというので、わたしたちが来るのに合わせてアスンシオンに来ていた。
↑彼女のブログには永住権申請方法についてかなり詳しく書いてあるので大いに参考になりました。
翌日、ちえちゃんと一緒に移民局へ。右も左も分からないわたしたちにとっては心強い。だが、できあがっているはずの彼女の永住権は残念ながら写真が足りなかった(なくした?)とかであと1、2ヶ月かかるという。
「完全に向こうのミスなのになんのフォローもないところがパラグアイらしいわー」
と嘆くちえちゃん。パラグアイではよくあることらしい。
世界一簡単と言われるパラグアイの永住権申請だけれど、実際にやってみて思ったのは思った以上に時間も手間も取られるし、多少お金もかかるし、自力でやるなら日常会話程度のスペイン語はできないと難しいと思う。
アスンシオンのバスがめちゃくちゃわかりづらくて、10年近く住んでいるゆきこさんですら全てのバスは把握できていないらしい。路線図がない上に、複数の会社が運行していて同じ番号のバスでも行き先が違うこともあり、もうわけのわからないことになっている。
土地勘がなく、バスもよくわからない我々は、40度前後の猛暑の中を毎日10km以上歩きまわり、さながらスタンプラリーのようであった。
今回は事前にゆきこさんやちえちゃんから情報を聞いていたこともあって、割とスムーズにできたが、それでも一週間(土日はどこの役所も閉まっているので実質は5日間)かかった。先述のちえちゃんのブログにかなり詳しく書いてあるので、わたしが書くまでもないかなとも思ったけど、すでに当時と状況が変わっていたり、応対する人によって言うことが違ったりするので、興味があれば参考程度に読んでみてください。
永住権申請方法
必要な書類
1、2は日本から持参。
(パラグアイからも取り寄せられるが3ヶ月ぐらいかかるらしい)
3−8はパラグアイでする作業。
1.日本の戸籍謄本
・本籍のある市町村の役場で発行してもらう(我々は謄本を持って行ったが1人の場合は抄本でOKらしい。その方が後述するコピーやエスクリバニアの枚数も少ないので安く済む)
必要な書類;身分証明書
(同一世帯であれば本人以外でも取得可能。実家の母に頼んで郵送してもらった)
費用;300円
2.日本の無犯罪証明書
・住民票のある都道府県警の鑑識課で発行してもらう
(都道府県によっては受け付けてくれない場合もあるので事前に電話で確認したほうがいい。大分県は問題なく対応してくれた。)
・両手の指紋をすべて取るので本人がいなければいけない
必要な書類
・申請書(在日パラグアイ大使館のページより。実際に使われるものとは違うが、書ける範囲で記入して持って行く)
・無犯罪証明書が必要である根拠を示す書類
(移民局のページの該当部分をコピーして持って行った)
・パスポート
費用;1,000円ぐらい(だったような)
※1週間後に出来上がるのでまた直接取りに行く
(受け取りは委任状があれば本人以外でも可)
1、2併せて外務省でアポスティーユしてもらう。(これをしてないと使えない)
郵送だと10−14日かかるが、直接持参すれば翌日に受け取れる。
そしてここからがいよいよスタンプラリー本番。これだけの場所を周ります。ゴールは移民局です。(必要な書類ごとに色分けしています)
①TRADUCTORAで日本から持ってきた書類を翻訳してもらう
・パスポート顔写真(コピー)
・戸籍謄本
・日本の無犯罪証明書
費用;翻訳 700,000Gs(2人分)
※2日後に受け取り
移民局向かいのエスクリバニアに併設されている翻訳やさんにお願いした。
3. パラグアイの法令遵守誓約書
法令遵守誓約書はどこのエスクリバニアでも作れるが、翻訳を頼むついでに作ってもらおうとしたところ、はじめ2人で500,000Gs(1人あたり250,000Gs)とふっかけられたが、他ではもっと安かったと言ったらその金額にしてくれた。
4. 外国人用無犯罪証明書(インターポール)
②書類をコピーし、エスクリバニアで※真贋証明(AUTENTICADO)してもらう
・パスポート顔写真&入国スタンプのページ各3枚(この後も使うので多めに)
・証明写真を持参していない場合はコピー屋さんでついでに撮ってもらう
費用;コピー500Gs /枚、エスクリバニア2,000Gs /枚、証明写真15,000Gs
※真贋証明(AUTENTICADO)とは 公証人(Escribania)でそのコピーが本物と認証してもらうこと 公証人によって値段は一枚2,000Gs~5,000Gs程度 移民局前は高いので1ブロック離れたIturbe通りにあるところがおすすめ(となりにコピー屋さんもあるので便利)
③インターポールで外国人無犯罪証明書を発行してもらう
必要な書類
・エスクリバニア済みのパスポート顔写真ページのコピー
・エスクリバニア済みのパスポート入国スタンプページのコピー(ビザ代わり)
・顔写真2枚
費用;約60,500Gs
※翌日の昼以降に受け取り
ここでも指紋を全部とられる。
④(翌日)出来上がった外国人無犯罪証明書を受け取り、警察署2箇所で認証してもらう
必要な書類;インターポールでもらった外国人無犯罪証明書
費用;無料
※その場で受け取り
セントロ近くの警察署から行ければいいのだけれど、なぜか遠い方の警察署に先に行かないといけないのがとても面倒(嫌がらせにしか思えない)
2箇所目のスタンプは裏面に押される
5. パラグアイの無犯罪証明書
⑤Department of identification でパラグアイの無犯罪証明書を発行してもらう
6. 健康診断書
⑥病院へ行く
必要な書類;パスポート(受付時に見せるだけ)
費用;診察料 70,000Gs、血液検査 96,000Gs
※血液検査の結果が翌日に出るのでその結果を受け取り、医師に診断書を書いてもらう。
健康診断書をもらうにあたって病院はどこでもいいのだが、人によって、あるいは医師の判断によって費用も内容も大きく異なるようだ。要は「身体的、精神的に健康で、かつ感染症をもっていない」という一文がもらえればいいみたい。(我々は幸い血液検査だけですんだ)
パラグアイのほとんどの病院は診察と検査場所が離れているので面倒(例えば医師が血液検査とレントゲンが必要だと判断したら一度検査機関で検査して結果を受け取ってまた病院に行かなければいけない)だが、我々が行った病院は検査機関も病院内にあるので非常に簡単だった。
国立病院で無料でやる方法もあるようで、同じくらぱちょに滞在していた方が挑戦していたが、検査項目が多くて何度も通わないといけない上に、時には次の検査まで2週間近く待たされたりすることもあるようなので時間のない方にはおすすめしない。
⑦健康診断書を受け取り、Minesterio de Salud (健康省)で承認をしてもらう
・健康診断書
費用;10,000Gs
※7-13時しか空いていないので注意
7. 居住証明書
⑧所管の警察署で居住証明書の申請をする
・申請書(警察署でもらい、証人2名にサインしてもらう)
・外国人無犯罪証明書のコピー(スタンプが裏にもあるので両面)
・パラグアイ無犯罪証明書のコピー
・電気代領収書のコピー
・パスポート顔写真コピー
・証人(パラグアイ人2名)のセドラ(身分証明書)のコピー
※いずれもエスクリバニアは不要
費用;証人のお2人への謝金 40,000Gs
※翌日受け取り
8. パラグアイの銀行口座の残高証明書(5,000ドル以上)
(ただし雇用契約書等がある場合は不要)
・エスクリバニア済みのパスポート顔写真コピー
・エスクリバニア済みの外国人無犯罪証明書コピー
・預け入れるお金 28,500,000Gs(ドルで入金もできるがレートがあまりよくないのでグアラニーで入金した方がいい)
費用;残高証明書発行手数料 55,000Gs
⑩すべての書類をコピー&エスクリバニアする