まやたろの体当たり日記 Wanderlust

東京銀座のOL→山梨で農業と狩猟をはじめる→2016北米&南米自転車縦断→2017夏全国キャラバン→2019秋「なないろペダル」(出版舎ジグ)刊行!

福岡編 #4 久留米絣をたずねて三十里

福岡を発ってしばらくしてから久留米絣を見に行くのを忘れていたことに気付く。
当初は佐賀から長崎に向かう予定だったのだが、どうしても久留米絣のことが気になって、福岡に引き返すことにした。

久留米絣(くるめがすり)は、福岡県南部の筑後地方一帯で製造されている絣。生産されているもののほとんどは着尺(きじゃく)の綿織物。織幅が1尺(約38㎝)の織物。括り(くくり)とよばれる技法であらかじめ染め分けた糸(絣糸)を用いて製織し、文様を表す。伊予絣、備後絣とともに日本三大絣の一つともされる。久留米絣の技法は1957年に国の重要無形文化財に指定され、1976年には経済産業大臣指定伝統工芸品に指定されている。
江戸時代の後期に、井上伝という当時12歳の少女が創始したとされる。久留米藩が産業として奨励していた。一時は年間200〜300万反を生産したが、戦後は洋装化により絣の需要が激減、現在は少量の生産にとどまる。

 

今回は八女市にある唯一の工房、「下川織物」さんにやってきた。当日の連絡にも関わらず受け入れてくださり、大変ありがたい。

oriyasan.com

 

サガのサカに苦しめられながら100kmほど走り、工房に到着。

日も傾きかけていたこともあり、干していた藍染の糸を取り入れているところのようだった。

奥の工房からはギッコンバッタンという大きな音を立てながら、織り機がひっきりなしに動いている。20台の織り機による大合奏。

絣は染める段階で染めたくない部分を糸で縛り、織り上げた時に模様が浮かび上がる。織り始めるまでに30工程ぐらいあるらしく、通常で2-3ヶ月、模様が複雑になると出来上がるまでに1年弱かかったりするそうだ。

下の写真は糸を縛った状態(右)、染めたあと(中央)、糸をほどいたあと(左)

これがどんな模様になるかなんてこの時点では想像付かない。

図案を見ながら整経し、

糸を織っていくと…

このように模様が浮かび上がる。す、すげー…

こんな複雑な柄も作れるらしい。

 

素敵なスタッフの皆様。今夜は冷えるわよ、と言って特別に久留米絣のストールをプレゼントしてくれた。うれしい。


今回見たのは機械織りだったけど、本藍染&手織りで未だにやっているところもあるという。残念ながらタイミングが合わなかったので、次回はそれも見てみたいな。


アップダウンを100kmも走った自分をねぎらうために、温泉入って道の駅の半額弁当食べてビール飲んですぐに寝る。ウロウロしたらだめ、飲んだらすぐ寝る。

佐賀編 #1 思いでぽろぽろ

福岡から佐賀県に突入。玄界灘は風が強いと聞いてビビっていたのだけど、思ったほどではなかった。

 

「虹の松原」は松の香りが辺り一面に立ち込めていてとても気持ちのいい道。

先日広島で再会した小学校時代の友人のご両親が玄海町に住んでいるということで訪ねた。

小学校時代、わたしたちは男子に混じって女ふたりサッカークラブに入り、一緒に和太鼓を習っていた。家族ぐるみでの付き合いだったからいろんな思い出話に花が咲いた。わたしのことを娘のように応援していただいて本当にありがたい。

 

福岡編 #3 博多織と糸島グルメ

朝ごはんは昨日の差し入れにいただいたサンドイッチ。これでもか!っていうぐらい具だくさんでおいしい。

Googleマップを開いたらたまたま目についた「博多織」の文字につられて入った工房。
ギッコンバッタンという音のする方向に向かうと、通路の両側に並んだ機織り機が休みなく働いている。
従業員の女性は働く手を止めて、ひとつひとつの工程を丁寧に解説してくれた。

 

博多織も西陣織と同じく絹糸を使ったジャカード織で、表と裏で違う色を出すことができる。生地の厚みは通す横糸の本数によって変えることができる。先日ミニ機織り体験をしたおかげで、以前と比べて仕組みがよく分かって面白かった。今は機械織りで傷などのチェックをするのみだが、昔は全て手作業でやられていたというから驚きである。

 

ちなみにこの模様は献上柄といい、仏具の「独鈷」と「華皿」との結合と中間に縞を配した紋様。慶長5年(1600年)黒田長政筑前を領有するようになってからは、幕府への献上品として博多織を献上するようになったという。

来年でなんと777周年になる博多織。そんな歴史のあるものだとも知らず、何の気なしに入ったのだがとても面白かった。

 

博多織をあとにして、つづいてやってきたのは糸島にある酒屋さん。

福岡・博多・糸島の酒蔵 │ 蔵元【杉能舎】では日本酒やクラフトビールだけでなく、酒粕を使ったパンまで作っている。ビールも酒粕ベーグルもおいしい。

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産直市場・伊都菜彩内にある「伊都物語」直営店のミルクいちごアイスがハンパなくうまかった。ミルクは言うまでもなく、凍ったいちごがゴロゴロ入っていて今まで食べたいちごアイスの中で間違いなくベスト1。

福岡産の原料を使い、昔ながらの作り方で醤油づくりをしているミツル醤油へも足を運んでみた。「生成り濃口」を購入。九州の醤油は甘いのが基本だけど、これはどんな味なんだろう。たのしみ。

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福岡で食べたものは何もかもめちゃくちゃおいしかった。もうこれはふつうに住みたいですぞ。

 

福岡編 #2 はじめての路上販売

昨日の夜ゲストハウスにいた人たちに写真を見せていたら、こんな会話になった。

「この写真売ったらいいじゃん」

「北九州は写真売れるんだよ。俺も去年日本一周してたときに写真売ったよ。」

 本当のところ、朝はやく出て佐賀まで向かう予定だった。しかし午前中は雨の予報。

「どうせ雨なんだし、写真売ってのんびりしたらいいじゃん」

 

そうか、これはそういう流れなのか。ならばそれに乗らない手はない。

 

宿から歩いて数分の距離にある、魚町銀天街のカメラ屋さんで写真をプリントし、教えてもらったとおりにシャッターの下りている店の前にお店を広げた。

写真を並べ、しばらくすると時折通行人が足を止めてくれる。誰もいない時はスルーされるけど、人がいるときは人が人を呼んで人だかりができる。

「へ〜南北アメリカ走ってきたん?この自転車で?すごいなあ!」

みんな口々にわたしを褒めてくれる。素直にうれしい。

「わたしの主人も定年してからバイクで世界一周したのよ〜」とか、

「実は昔競輪選手を目指していて…」とか、すごい方ともたくさんお話できた。

いろんな人がパンやらお菓子やら飲み物やらを差し入れてくれた。

ふつうに商店街ですれ違っていたら言葉を交わさなかったであろうけど、こうしてわたしが座って自己開示したことによって交流が生まれた。

日本の旅に出てから、こうした人との交流に飢えていた。日本人はシャイだしな、と諦めていた。でもそれは決めつけだったのかもしれない。自分から心を開かなければ交流は生まれない。そんな気づきをいただいた経験だった。

 

 

「明日雨なんだし、この写真売ったらいいじゃん」 昨夜ゲストハウスで言われたそんなひとことをきっかけに、小倉の商店街で写真を現像し、売ってみることにした。ずっと前からこういう路上販売みたいなものをなんとなくやってみたいとは思いつつもなかなか一歩を踏み出せなかったのだけど、流れに乗っかってみることにした。 手にしたお金の多寡よりも、いろんな人との出会いや会話が楽しかった。 もうすぐ87歳になろうとするちえこさんは、1日4つのジムに通って元気ハツラツだったし、寿司職人の浅海さんは元々競輪選手を目指していたそうで、自転車話で盛り上がり、写真をたくさん買ってくれた上にパンやおはぎなども差し入れてくれた。他にもたくさんの方から差し入れや激励の言葉をいただいた。 北九州の人たちの距離感がとても心地よくて、身も心もすっかり満たされた。一歩を踏み出したことによってこれでもやってける、という小さな自信が芽生えた。

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近くの病院で働いているシバタくんが仕事帰りに寄ってくれて、なんと博多まで運んでくれることに。エセチャリダーは喜んで乗る。

めちゃくちゃおいしい肉まんも買ってきてくれた。肉汁溢れすぎてきけんなやつ。

博多に住むやっちゃんと合流し、みんなでシバタくんおすすめの南インド料理やさんへ。

カレー通のシバタくんがおすすめするだけあってスパイス使いが巧みで感激のおいしさでした。

そして博多に来たからには屋台でしょ、ってことで一番ノリのいいお兄さんのいる屋台へ。

それにしてもこのオヤジ、ノリノリである

おでんも焼きラーメンもめちゃうまでした。

さらにおうちに帰ってからはいただきものの草餅とおはぎをいただく。これまたあんこが程よい甘さで絶品。

いただいたサンドイッチもめちゃくちゃおいしかった。

どんだけ食うんやと思ったそこのアナタ、わたしもそう思います。

福岡最高すぎる。

福岡編 #1 チャリダーコレクター・カワサキさんと落ち武者さん

 

本州と九州の間を隔てる関門海峡。車は橋を渡るが、徒歩&自転車はどうするのか…

答えは「地下をくぐる」である。

歩行者はタダ、自転車は20円を払ってエレベーターで地下へと降り、トンネルを歩く。意外にも関門海峡はわずか1kmほどしかない。

 

真ん中あたりに県境がある。

そしてトンネルを抜けた先には思いがけない出会いが待っていた。

「日本一周の方ですか?」

そう声をかけられて振り返ると、男性が立っていた。

ちょっといいですか?と手招きされ、お菓子が入った袋と九州の地図(高速のSAなどでもらえるやつ)を渡してくれた。

彼の名前はカワサキさんといい、こうして日本一周するチャリダーの写真を撮りためては、お菓子や地図を配って応援しているという。ブログをやっているわけでもなく、自分のタブレット上にフォルダ分けして保管してたのしんでいるそう。中でも「女性チャリダー」はレアキャラらしく、とても喜んでくれた。他にも「徒歩ダー」や「外国人チャリダー」もレアキャラだそう。

面白そうなのでしばらくカワサキさんとお話することにした。

3年前に定年となり、時間ができたのでこの活動をはじめたらしい。これまでに100人以上の日本一周チャリダーと出会っている。主にブログやツイッターなどで情報を収集し、「今日はこの人が来そうだな」と思ったら朝からこのトンネルの前で張っているそうだ。

ちなみに今日は「りょうくん」というチャリダーがここを通ると踏んで、昼から待っていた。一時間ほど前に小倉城でツイートをしていたのでそろそろ来るはずなんだけど、というカワサキさん。当然ながらカワサキさんもりょうくんもお互いを知らない。なんだかとても不思議な待ち合わせだ。

 

カワサキさんだけど愛車はスズキさん。

今日はどこに泊まるのかと聞かれ、40kmぐらい先の道の駅で野宿をするつもりだというと、

「今からそこまで走ると暗くなってしまうでしょう。それに女の子にはなるべく野宿とかしてほしくないから、今日はゲストハウスに泊まって下さい。」

そういって軍資金を差し出してくれたカワサキさん。

「いやいやいや、そういうわけにはいきませんから!」と断ろうとすると、

「この人にもこの人にもこうしてお金をわたしたりごはんをごちそうしたりしてきたんです。だからあなたも受け取っていいんですよ。」といろんな人の写真を見せながらわたしの罪悪感を取り払ってくれた。

どこまでいい人なんですか、カワサキさん!!

 

「それにしても「りょうくん」、来ないですね〜。」

そろそろ日も傾きかけてきたので、カワサキさんにお礼を告げて小倉の街に向かう。

 

出発して30秒後に向かいからチャリダーの姿が。

「もしかして「りょうくん」ですか?」

「え、なんで知ってるんですか??」

「お待ちかねの方がいらっしゃいますよ」

そう言ってカワサキさんの待つ方へ誘導した。

 

カワサキ・コレクションにおさめられる「りょうくん」

 

さて、今度こそ小倉へ。門司港の町並みは赤レンガ倉庫っぽい。

 

15kmほど走って小倉に到着。カワサキさんのおかげで今宵はなんと前から気になっていたTanga Tableに泊まれることに!

 

めっちゃオサレや…

カワサキさんにいただいたお菓子とか。

シャワーを浴びようと廊下に出ると、なんとカワサキさんが!

愛車のスズキさんと共にわざわざやってきてくれたのであった。

「一緒にごはんを食べに行きましょう」と言って小倉名物の鉄鍋餃子をごちそうしてくれた。もう何から何まで、本当にありがとうございます…。

 

宿に戻ってしばらくすると、近くに住む落ち武者さんがやってきた。

落ち武者さんとは昨年に熊本の震災ボランティアで出会ったのだが、わたしが近くにいると知ってわざわざ訪ねてきてくれたのだった。それにしてもエレベーターからこの格好で登場したときは笑いをこらえきれなかった。

 

ゲストハウスにたまたまいた女性が、落ち武者さんの中学校の同級生だったり、他にも、わたしと同じようにカワサキさんに捕えられたことのある女性チャリダーや昨年バイクで日本を2周した男性などおもしろいメンツが集まっていた。

「そういえば関門海峡カワサキさんっていう伝説の人がいるらしいんですよ」と男性。

カワサキさん、さっきここにいたじゃないですか」

「えー!!さっきの方、カワサキさんだったんですか!!?お話すればよかったー!」

どうやらカワサキさんは有名人らしい。

野宿もいいけど、やっぱりゲストハウスって面白いなとつくづく感じた1日だった。

これもぜんぶカワサキさんのおかげです。

 

そしてこのあとこの場にいた人たちにわたしの旅の写真を見せていたところ、思わぬ展開が待ち受けていたのであった。

 

山口編 #1 平郡島の織物と子どもたち

山口県柳井港からフェリーに揺られること1時間40分。やってきたのは人口600人弱の平郡島。以前わたしが鹿肉と何かを物々交換したいと言った時に、友人の紹介を介して柳井のタコを送ってきてくれたひさとみさん。会ったことはなかったけど、いつもFBやインスタで染物や織物をしている様子を見て、いつか訪ねてみたいと思っていた。

 

フェリーのりばで出迎えてくれたひさとみさんに工房を案内された。
3年前に柳井縞という柳井の伝統的な織物を半年間習い、すぐに独立したひさとみさんは、toito-fabricというブランドを立ち上げ、伝統的な藍染の縞模様だけでなくカラフルで斬新なデザインも取り入れ、パンクファッションとのコラボ作品なんかもある。

そのままお友達のお宅に連れて行ってくれた。大人も子どもも入り混じって楽しそうに話している。はじめて会ったとは思えない、距離感を感じさせない温かい人達に囲まれて、一瞬で打ち解けた。楽しすぎて写真を一枚も撮らなかったのが心残り。

 

翌朝からひさとみさんはお仕事。

 

ひさとみさんは今、娘さんが成人式で着る振袖を織っている。早くしろと催促されてるそうで必死に織っている。親の織った晴れ着で成人式に出るなんて、なんと素敵なことなんだろう。

 

藍の発酵建ても最近はじめたそうで、建てたばかりの藍で先日いただいた白なめし皮を染めさせてもらった。

 

翌日は平郡東小学校で急遽授業をさせてもらうことになった。今時めずらしいぐらい素直でかわいらしい5人の生徒さん相手に海外の話をいろいろとした。小学生相手ははじめてだったのだけど、クイズや体験も折り込んだりしたので、みんな1時間以上の長丁場でも最後まで楽しんでくれたようでよかった。

やたらテントに興味があるようだったので、みんなでテントを建ててみた。

 

工房に戻り、機織り機のミニチュアで機織りをさせてもらうことに。しかしこの準備がとにかく大変。まず、機結びという特殊な結び方で経糸を一本ずつ、計82本取り付けていく。そして今度はそれを一本一本綜絖に通し、さらに2本ずつ筬に通す。この作業だけで半日以上かかってしまった。結局織りの作業に入れたのは夜の22時頃。これはミニチュアなので82本だけだけど、実際の織り機は840本?通すというのだから途方もない。

機結びを極めたひさとみさんのお弟子さん(小5)に手伝ってもらった。ありがとうひさ!

綜絖通し

これでやっと織れる状態に!

学校帰りの子どもたちが工房に遊びにやってくる。ゲームしたりお菓子食べたり、思い思いに大はしゃぎ。「仕事にならない」と言いながら嬉しそうなひさとみさん。



そして日暮れ前にはみんなで海へ。ちょうど干潮の時間だったのでみんなでいろんな生き物探し。貝とか魚とか魚のうんちとかたくさん教えてもらった。みんな物知りだなあ。

土管の上で宿題。

野生児ココ

さかなのうんち


こんな環境で育つなんてうらやましいと思うけど、実際はけっこう大変らしい。島には中学校はないから対岸の柳井までフェリーで通わなければならないのだが、1日朝夕1便ずつしかないから部活もできない。必然的にみんな出て行ってしまう。島に残っても、新しい人が来たとしても、仕事がない。だからひさとみさんは島に仕事を作りたいと何度も言っていた。観光地でないからこその大変さと、そこに生きる人たちの強さと優しさを感じました。
またゆっくり来たいなあ。本当にありがとうございました。

広島編 #2 爆破予告と宮島の牡蠣とわたしの本気

ひろちゃんが岐阜に帰るというのでその前に宮島に行こうと半ば強引に誘って連れ出す。

広島から20km弱。途中道がわからなくて30分ぐらい迷った挙句、フェリー乗り場に到着すると長蛇の列。なんてったって今日は3連休のど真ん中ですからね…と思っていたけどそれだけではなかった。どうやらフェリーに爆破予告があったらしく、点検のため運休となっていたのだった。

爆破予告って…

幸い我々が到着した直後に復旧したのだけど、まあとにかく人がすごいこと。久しぶりにこんな人にもまれたぜ…

 

爆破予告されたななうら丸さん

厳島神社の鳥居が見えてきた

対岸に着き、ぷらぷらと観光。

でっかいしゃもじ

「揚げもみじ」というもみじまんじゅうを揚げたやつ。サクサクでうまい。

そして昨日に引き続きかき!今日は生がき!!

口の中が磯になった。うんめ〜!

牡蠣のオイル漬けもうんま〜い。

カキフライと牡蠣ご飯と牡蠣づくし。

腹も満たされたので再び観光。

ひとしきり宮島を堪能し、ここでひろちゃんと涙の別れをしたのであった。

ありがとひろちゃん!

 

さて、わたしはというとこれから山口県柳井港から出るフェリーに乗り「平郡島」に渡るのだが、フェリーは8時半と16時半の1日2便しかない。この時すでに14時。柳井港までは50km。いつも時速15km前後で走っているわたしにとってはかなりきびしい状況。それでもなんか今日は行ける気がして、とりあえず頑張ってみることにした。

 

海を横目にかっとばす。

なんてきれいなんだー!

美しすぎるので急いでるけど寄り道

そして、、奇跡的にフェリーに間に合った!というか余裕で間に合った!

むしろいつもどんだけダラダラ走ってるんやわたし。

フェリー料金の高さにわたし涙目。自転車込で片道約2000円、往復4000円…

でもこれを越える価値がきっとこの島にあるはず!知らんけどな。

愛媛〜広島編 お遍路15周目のカワカミさんとかき小屋

翌日の予定をちゃんと決めないまま眠りについてしまった我々は、その日乗ろうと思っていたフェリーが起きた頃には既に出発していたことに気づく。

朝ごはんをいただき、なんとなくのんびりしていたけど結局松山港からフェリーで広島まで向かうことにした。

 

途中で見かけた気になるもの。

松山港まであと10km弱という海岸沿いでひとりのチャリダーを発見。興味半分で話しかけてみると、いろんな意味ですごい方だった。

 

昨日愛媛の海岸沿いで出会ったカワカミさんというおじさん。ある日突然神からのお告げのようなものがあり、会社を辞めてかれこれ11年も日本中を供養をしながらまわっているらしい。四国だけで既に5年いて、一年でお遍路さんを3周し、現在なんと15周目。しかも八十八ヶ所だけでなく、人のいないような小さな神社仏閣まで周っているそう。何もかも驚くことばかり。そんな彼とのやりとりがなんだか面白かった。 収入はどうされてるんですか? 「基本的に托鉢のみ。だから食べられる日もあれば食べられない日もある。でもそれは断食という風な見方もできる。いいも悪いも全て決めるのは自分。自分次第だ。」 どうしてそんなに自転車が綺麗なんですか?(彼の自転車は昨日買ってきたみたいにピカピカだった) 「毎日自分がごはんを食べるよりも前に自転車のメンテナンスをする。これがなくなったら旅ができないからね。大事にすればちゃんと応えてくれる。保険にも入ってないから自分の健康も自分で守らないとね。」 そして一番面白かったのはこれ 寒いときはどうするんですか? 「ワンカップを熱燗にしてクッと飲んですぐにシュラフに入る。ウロウロしたらだめ、すぐ寝る。」 大変勉強になりました。

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キティちゃんのキャリアケースがサイドバッグに…!

 

フェリーに乗ること2時間。

呉に着き、広島まで20kmほどの道を走る。そのままフェリーに乗っていれば広島に着くんだけど、呉で降りたほうが千円近く安いのでビンボーチャリダーは走る。

 

尾道のときはラーメンだったけど、広島に着く頃には頭がカキでいっぱいだった。

そんなわけで宇品港のかき小屋で友人と待ち合わせ。

 

カキ!!小学校の友人と再会!!

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野宿するつもりだったが友人が泊めてくれるというのでおじゃますることに。今日辺りから冷え込んできたのでとてもありがたい。そしてモルモットのつむじちゃんがかわいい。

 今宵は満月。

広島〜愛媛編 リベンジ!しまなみ海道!!

あれは3年前のこと。尾道にやってきたわれわれ女子3人組は、そこでレンタサイクルをしてしまなみ海道を走ることにした。サイクリングロードが整っているというし楽勝だろうと踏んでいたのが、甘かった。島と島は橋でつながれており、その橋に上がる度に何キロかひたすら登らないといけない。そして最終的に尾道にレンタサイクルを返さないといけないので、進めば進むほどその倍の距離を走って帰らないといけないことになる。結論から言うとわたしたちは2つめの島で断念し引き返すことにした。

あれから3年経ち、わたしもひろちゃんもそれなりに場数を踏んできた。きっと今回は行けるはず。そんなわけで、今回はリベンジ!しまなみ海道なのだ。

 

サイクリングマップ | サイクリング | SHIMAP しまなみ海道観光マップ

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昨夜のお宿、オーシャンビュー(駐車場のスキマ)を撤収し、8時前に出発。

尾道から一つ目の向島までは渡船をつかう。

 

5分程で対岸に到着。

橋が見えてきた。

そのままぐんぐん進んで10時には3つめの島・生口島へ。

海を眺めながらジェラートを食べる。

ジェラートやさんの前で、ロードバイクに乗った男性に話しかけられた。

男性「どちらかからいらしたんですか?え、横浜?すごいですね〜。どれぐらいかかりましたか?」

わたし「2ヶ月です」

男性「僕は埼玉から4日で来たんですよ〜。毎日200km走って。」

…なんじゃそりゃ~!

 

 

パノラマビュー!!

 

橋のふもとでは「お接待」ではちみつレモンを用意してくれていたおばちゃん。こういう気遣いがありがたい。 

 

坂を登るとパノラマビュー!!

生口島大三島を結ぶ多々羅大橋のちょうど真ん中が広島と愛媛の県境。

お昼を食べようと大三島で峠を越えて、食べログで話題の店「大漁」に向かうが、着いた時点ですでに受付終了していた。朝イチで並ばないと入れないらしい。

せっかくここまで来たので近くの大山祗神社へ。

「ひとりずもう」って本当にあるのね。

 

神々しさしか感じさせないクスノキ

結局お昼ごはんはスーパーの海鮮丼(380円)でした。まあこういう日もあるよね。

 

伯方島では塩ソフトを食べる。

最後の来島海峡大橋を渡る頃には日も傾きかけていた。そしてこのあたりからかなりの向かい風でなかなか進まない。

しまなみが美しい。

今治に着くと知人が迎えに来てくれた。温泉に連れて行ってくれ、おうちに着くと素敵なアウトドアディナーが用意されていた。

 

今治産のタイとか

先日釣ってきたイカとか

カツオのたたきとか

タンドリーチキンやらおでんやら、他にも手の込んだおいしいお料理がたくさんあったのだけど写真撮り忘れてしまった。

今までとこれから、仕事のことからパートナーのことまで話は大いに盛り上がり、気付けば夜がふけていた。

美しい景色を眺めながら走ったあとに待っている温泉、ビール、おいしいごはん、そして素敵な人々…。

これ以上何があるだろうか。

 

そんなわけでリベンジ!しまなみ海道!!は大成功のうちに幕を閉じたのであった。

 

広島編 #1 ポケットティッシュ一個分の肖像権と尾道ラーメン

尾道へ向かう途中、映画・崖の上のポニョの舞台になった鞆の浦を通る。

保命酒という養命酒のようなお酒を作っているところに寄ったら、ちょうどテレビのロケが入ってきて取材を受けた。終わったあとはありがとうございます、と言って番組のロゴが入ったポケットティッシュを手渡された。我々の肖像権はポケットティッシュ一つ分です。

 

尾道ラーメンのことを考えながらひたすら走っていたけど、ひろちゃんがずっと行きたくてたまらなかった「朱華園」はなんと定休日。わたしがいきたかった「拉麺またたび」も休み。近所の人に聞くと、「また旅に出たんじゃないの」と言われた。

仕方なくすすめられたお店に入ってお魚定食を食べたのだけど、その後もどうしてもラーメンのことが頭から離れなくて最終的にこちらの「丸ぼし」へ。

日帰り温泉でゆったりお風呂に入り、閉館ギリギリまでロビーで時間をつぶしたあとは海の見える絶好の物件を確保して朝を待つのであった。

 

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