「テマスカル」をご存知だろうか。真っ暗な空間の中で焼け石に水をかけ、サウナのようになった室内で心身を清める儀式。いわゆる「スウェットロッジ」の一種である。
サンクリの民芸品市場を歩いていると美しい太鼓に足が止まった。その太鼓を作っていた彼の名はHermano sol。聞けばそれは「テマスカル」に使われる太鼓だという。そしてなんと翌日に近くでテマスカルが行われるという。以前から気にはなっていたものの、なかなか受ける機会がなかったのだが、まさかこんな形で出会えるとは。
翌日、同じ宿に泊まっていた友人とオーガニックマーケットでフルーツと花を買ってから向かった。
山々に囲まれた美しい景観の真ん中に建つテマスカル小屋。一般的には石や土で出来ていることが多いようだが、ここのはドームテントのような形であった。小屋の前では火が焚かれ、石が熱されている。
我々を含めて15人ほどいたかと思う。火に熱された石を囲んで円になる。
「石はわたしたちのabueros(おじいさん、おばあさん)。なぜならずっと昔から地球にいて、たくさんのことを知っているから。」
一人ずつ、今の自分の在り方を胸に、そっとタバコの葉を石=abuerosに捧げる。ハーブの入った水で身体を清めてもらってから、一人ずつ小屋(擬似子宮)の中へ。
暗闇の中で、煙と蒸気に包まれ、歌と太鼓を奏でること3時間。身体だけでなく、心の毒素もすべて洗い流され、擬似子宮の中から出たときはまさに生まれ変わった気がした。そして自分の中から沸き起こってきたのは、これからどんな世の中になろうと「大地とつながって生きていきたい」という感覚。とても心地よくて豊かな時間だった。
ただひとつ、こんび太郎ができるのではないかというほど垢が出たのでこれからはちゃんとお風呂に入りたいと思いました。
Temazcal is a type of sweat lodge among the Mayans. I felt that not only my body but also my soul has been purified after all the ceremony. Such a special experience.