まやたろの体当たり日記 Wanderlust

東京銀座のOL→山梨で農業と狩猟をはじめる→2016北米&南米自転車縦断→2017夏全国キャラバン→2019秋「なないろペダル」(出版舎ジグ)刊行!

通訳案内士試験終了…(いろんな意味で)〜歴史の勉強から学んだこと〜

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8月18日。試験が終わった。

なんの試験かと言ったら、これです、これ。

難問奇問の名を誇る全国通訳案内士試験。(こう見えて一応国家資格である)

秋から新たにツアーガイドの仕事をはじめることになり、必須ではないけれど、知識と自信をつけるためにも挑んでみることにした。

 

英検やTOEIC、歴史検定などの資格を持っていると免除になる科目もあるのだけど、2ヶ月前に受験を決めたわたしはそんなものもなく、5科目フル受験。

合格した科目は来年に繰り越せるし、夏は山小屋で住み込みバイトでもしようと思っていたので、「今年はまあ1つか2つ通ればいいや」と軽い気持ちで考えていたところに、例の腰椎骨折、そして「安静」の診断。

 

ああ、これは勉強しろってことですね…

 

試験科目は、英語・地理・歴史・一般常識・通訳案内の実務 の5つ。

この中でも鬼門は歴史。昔からがつくほど苦手な歴史。

いい国作ろうとか、なくよウグイスとか、本能寺の変織田信長が死んだとか、

大げさでなくそれくらいの知識しか持ち合わせていない。

試しに実家にあった、妹が3ページしかやっていない小学生の問題集を解いてみたら半分もわからない…

そんな状態だったから、まずは流れをつかもうとマンガを読むことにした。

 

漫画版 日本の歴史 全15巻セット (角川文庫)

漫画版 日本の歴史 全15巻セット (角川文庫)

 

 

このKADOKAWAの歴史漫画シリーズが思いの外よくて、おかげで今まで断片的だった知識が整理され、流れが掴めるようになった。漫画だと時代背景や同時代の人物の絡みも描かれているので頭に入りやすい。各章のあとのコラムがあって、それがまた勉強になる。

 

それから、インターネット上で無料の教材やYouTubeの授業を公開している「ハロー通訳アカデミー」を活用した。植山先生の授業は最高に面白くて、単なる受験の為の勉強でなく、普遍的な知識や考え方を身につけさせてもらった。

 

www.hello.ac

「歴史とは何か?」「歴史はなぜ変化するのか?」→「支配者にとって都合のいい、効率のいい仕組みや制度を作り上げるため」という社会構造はいつの時代も変わらない。支配する側にとって、国民は愚民でいてくれたほうが都合がいい。これは「スポーツやテレビ、ギャンブルなどの娯楽に興味をもってもらい、政治のことは忘れてもらおう」という現代日本の愚民政策にも当てはまる。

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配布された資料の中でも、特に衝撃的だったのは以下の文面

現代日本の「結婚制度」のもとでの「夫、妻の奴隷化政策」

政府は、専業主婦の経済的自立を妨げるために、年収103万、106万、130万、150万円の壁を作り、夫への依存度を高める奴隷化政策を堅持している。

一方、夫は、裁量労働制で無制限のサービス残業を強いられ、75歳まで企業の奴隷として搾取されようとしている。

年金制度が崩壊確実の中で、老後に不安を抱える「企業戦士夫婦」がいる一方で、大企業は「内部留保」として500兆円を貯め込みウハウハ状態にある。

●国民を貧困化(=奴隷化)させるあの手、この手

①(国の)教育ローンで大学卒業時にすでに借金漬けにする。 ②非正規労働者比率40%(実際は50%以上?)で教育ローンが返済できない人続出。 ③住宅買ったら、35年住宅ローンの借金地獄。

●通訳案内士試験に合格しても、悪質派遣会社に行くと、50%以上ピンハネされ、旅行会社と派遣会社の食い物にされるのでご注意ください。

 ↑最後の一文に笑った。

 

歴史を学ぶ中で、いかに多くの犠牲の上に成り立っているのか、権力を手に入れるために人を欺き、邪魔者を排除するために殺し合いをしてきたか。そうして権力を手に入れ「この世をば我が世とぞ思う」と言った藤原家も、「平家にあらずんば人にあらず」と言った平家も、260年以上続いた徳川家の江戸幕府にも、終わりはあった。一方で、平家に敗れて伊豆に流された頼朝はやがて頂点に上り詰めるし、関ヶ原の戦いで負けた薩摩と長州が幕府を倒して明治政府で力を握るようになったのも面白い。「歴史は繰り返す」「驕れるものも久しからず」。知れば知るほどいずれも言い得て妙だと改めて感心した。そして今までいかに自分がこうしたことに無知で無関心で薄っぺらな人間であったかを反省した。

今まで「理系だから」という言い逃れによって、歴史や政治に向き合うことを避けてきた。でも今回こうしてガッツリと歴史を学び直してみて、ようやくその面白さと重大さに気づくことができた。付け焼き刃の勉強ではなく、日々の暮らしの中でもこうしたアンテナを張って生活していこうという気になれただけでも、自分の中ではとても大きな進歩だった。

 

 

と、ここまで長々と書いてきましたけれど、 自己採点の結果、日本史だけ合格点に1点届かず。

ネット上の反応を見た限りでも、今回の歴史の問題はいつにも増して難問珍問のオンパレード。平均点が低ければ合格点の調整もあるらしいけれど。どうなることやら。

試験結果は11月7日。忘れた頃にやってくる。

受かれば今度は二次試験。ドキドキ。

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