まやたろの体当たり日記 Wanderlust

東京銀座のOL→山梨で農業と狩猟をはじめる→2016北米&南米自転車縦断→2017夏全国キャラバン→2019秋「なないろペダル」(出版舎ジグ)刊行!

兵庫編 #2 おのころ島

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塩屋の町を後にして淡路島へ渡る。明石海峡大橋は自転車で渡ることができないため、明石から出ているフェリーを使う。

 

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淡路島は近年サイクリングブームらしく、フェリーには自転車ラックがたくさん。西側は比較的車通りも少なく、走りやすいそうなので西側を走ることにした。

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under the bridge

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淡路島は別名「おのころ島」とも呼ばれる。

伊邪那岐イザナギ)・伊邪那美イザナミ)の二柱の神は、別天津神(ことあまつがみ)たちに漂っていた大地を完成させるよう命じられる。別天津神たちは天沼矛(あめのぬぼこ)を二神に与えた。伊邪那岐伊邪那美は天浮橋(あめのうきはし)に立ち、天沼矛で渾沌とした大地をかき混ぜる。このとき、矛から滴り落ちたものが積もって淤能碁呂島(おのごろじま)となった[1]

国産み - Wikipedia

 

 

地創塾同期の岡田さんのお宅へ。前回会った時はまだ奥さんのおなかが大きかったのに、そのおなかの中にいたヒロくんがすっかり大きくなっていて時の流れを感じずにはいられなかった。

わたしが来るからと言って近所のお友達に声をかけてくれていたようで、着いた日の晩は持ち寄りご飯会に。

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今年の春に淡路島に移住した岡田さん。現在は鉄の平釜で海水を薪で焚く昔ながらのやり方で、社長さんと二人で塩作りをしている。 

 

hamashizuku.com

塩作りの現場を見せてもらった。残念ながら社長さんには会えなかったが、岡田さんがシミュレーションしてくれた。

 

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海水をポンプで汲み上げてタンクに貯め、逆浸透膜で細かいゴミなどを取り除く。

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鉄の平釜でひたすら海水を煮詰めていく。

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下にカルシウムなどがたまるので時折除去。

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海水を焚き始めて40時間、煮詰めた液をこの杉樽に移して塩(固体)とにがり(液体)に分ける。

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網でふるい、ピンセットで異物を除去してようやく塩が出来上がる。

 

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お昼を食べてあわじシェアホースクラブ | 淡路島で乗馬体験 |へ。風月くんというお馬さんが出迎えてくれた。

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「くらしに馬を」というコンセプトで、馬合宿や"馬場BAR"という馬を見ながら飲めるBARなどをしている。

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実はわたしの前の職場で飼っているコータローがこの春馬耕をしに来たと聞いてびっくり。馬業界狭いですね。

 

 ノマド村は廃校を活用したシェアオフィスやオープンスペース、カフェなどの空間。

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このアイスクリームがめちゃくちゃ美味しかった。

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夜はヒロくんも通う森のようちえん「まんまる」 in 淡路島マンモスを運営しているあじめちゃんちへ。ハモ鍋をつつきなから旅の話に。

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みんなが寝た後もあじめちゃんとサシ飲み。あじめちゃんも何度かアフリカに行ったことがあるようで、その中でもアフリカの人には「今」しかないっていう話がとても面白かった。彼らは昨日の話とか思い出話もしないし、死がとても身近で3ヶ月後にお互い生きてるかなんてわからないから、会いたい人には今すぐ会いにいくという。働いてお金を貯めるとか、いい会社に入るため、いい大学に入るためにがんばって勉強するっていうのは未来のための投資だけど、彼らは「未来のための今」じゃなくて「今のための今」を生きてるっていうのを聞いてすごく納得した。そしてアフリカに行きたくなった。

行きたいところがありすぎて一生じゃ足りないぜ。

 

淡路島の面白い人や場所につないでくれた岡田ファミリー、ありがとうございました!また来よっと〜!

 


 

兵庫編#1 旧グッゲンハイム邸

神戸と明石の中間に位置する、塩屋という海沿いの町。

この町に建つ築100年の洋館、「旧グッゲンハイム邸」を管理する音楽家の森本アリさんに塩屋の町、そして旧グッゲンハイム邸を案内していただいた。

アリさんがこの洋館を管理するに至った経緯は下記の記事に詳しく書かれているのだが、わたしはこの中の「変わらなくていい、これ以上求めなくていい」というアリさんのスタンスにとても共感して、ぜひお会いしてみたいと思ったのだった。

https://greenz.jp/2015/02/27/alimorimoto/

 

元々企業の研修施設として使われていたのが取り壊されそうになったところを、アリさんのご両親が購入し、現在は平日はヨガや音楽教室、休日はライブ会場や結婚式場として使われている。

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この日も土曜日だったので結婚式の準備の真っ只中だった。

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2階からは海が望める絶好のロケーション。

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裏にはアパートやシェアオフィスもある。

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塩屋の町は阪神大震災の時も比較的被害が少なかったために、周囲のように大規模な復興工事が行われず、未だに古くからの町並みが残る。海に面した急な坂や、入り組んだ細い路地は以前訪れた尾道を彷彿とさせる。

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そんな細い路地の中にある商店街を進んでいくと、ナポリピザのお店やカレーやさん、八百屋さんや豆腐やさんなどが所狭しと並ぶ。

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商店街を歩いているとちょうど明日旧グッゲンハイム邸で結婚式を挙げるというカップルにばったり遭遇。
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田仲豆腐店という豆腐屋さんは気前が良くて前を通ったら揚げたてのお揚げをたくさんくれた。

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ちなみに厚揚げを棒状にした「豆腐スティック」は、地元の小学生の授業で共同開発した商品らしいのだが、これがもうめちゃくちゃおいしくて。前日飲みすぎて胃もたれ気味だったのに思わずパクパクと止まらなくなるほど。おみやげに買って帰ったらこれまた袋いっぱいにサービスしてくれた。

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山盛りサービスしてくれたのに美味しすぎて気づけば残り一本に。

 

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おじさんは種子島出身らしく、わたしが自転車で日本を周っているという話をしたら、

「だんなはいるのか?俺の甥っ子が種子島で大工をしているし、年も同じぐらいだからちょうどいい。会いに行きなさい。」とすすめられた。

(…種子島まで行くか…)

 

塩屋はとても魅力的な町でした!

お忙しい中案内してくださったアリさん、つないでくれたMOTOKOさん、ありがとうございます!!

 

大阪編#1 ベンガラ染めともも姫

大阪府羽曳野市。古くから神寺や日本家屋の塗料として使われてきたベンガラを用いて染め物をされている工場があると聞いて訪ねてみた。

 

 

染物づいた1日。日本で唯一「べんがら染め」をされている羽曳野市の工房「古色の美ナカジマ」さんへ。 べんがらって赤のイメージだったけど、ここでは土の焼成温度や配合などを変えることで緑、青、黄など24種類もの色を作り出している。少量の水だけで簡単に染められるから、草木染めよりも手軽で環境にもやさしい。木綿や麻などの天然素材に限らず、ポリエステルやレーヨン、紙や陶器に至るまで、材料を選ばず染められるのもすばらしい。 なんと手ぬぐいの板染め体験までさせていただいて、もう大興奮でした。 紹介してくれた石津さん、ありがとうございます!

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メキシコ・サンクリの日本人宿、カサカサのかおりさんが日本に帰省されているということで大阪のご実家にお邪魔した。モモ姫はパワーアップしてて相変わらずかわいかった。

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大阪を通り、神戸へ。

 

混沌と秩序、表と裏。カオスな街OSAKA

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8月に十日町の月見音楽祭で出会ったおーやさんのご実家に泊めていただく。奈良からけんちゃんもわざわざやってきてくれた。お母さんがめちゃくちゃ面白くて気づけば朝の3:30まで話していた。

 

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実家を再出発してから一ヶ月になるが、ご縁がご縁を呼び、小田原城と琵琶湖のほとりで一回ずつ野宿をした以外はすべて屋根と壁のある暖かいお部屋で眠らせていただいているという奇跡。本当に本当にありがたいことです。

 

奈良編#2 チャリダー先輩とスーパー主婦

奈良公園の鹿さんたちとひとしきり戯れ、大仏を眺めてから奈良をあとにした。

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途中でけんちゃんちへ。けんちゃんとは8月に十日町ギルドハウスの月見音楽祭の時に出会った。話を聞くと彼は1年半ぐらい前まではやり手の経営者で億単位の売上をあげていたらしいのだけど、去年仕事を辞めて結婚し、今はほとんど働いていないらしい。周りからはいろいろ言われることもあるが、パーリー建築のしょうたろーくんやゆーたろーくんたちに出会ってから、お金や働くことへの価値観が大きく変わり、不思議と不安はなくなってきたという。

結局お金ってなんなんだろう。たくさん持っていたら安心なのだろうか。そもそもお金ってそんなに必要なのかな。家族とか友人とか大事な人と一緒に過ごす時間を犠牲にしてまではたらく時間に費やす必要が本当にあるのだろうか。高いお金を払って高級レストランに行くよりも、自分や顔の見える人たちが作った素材を使った料理を作ってみんなで食べるほうが何倍も幸せだと思うし、一生分の稼ぎを費やして立派な家を買うよりも、ボロ家をあーだこーだ言いながら自分たちの手で直す方がたのしいと、わたしは思う。そんな話をできたことがとてもうれしかった。

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チャリダーつながりで穴虫に住むゆかさんとかっちゃんのお宅へ。ゆかさんは以前ユーラシア大陸をひとりで横断したチャリダーの大先輩。旦那さんのかっちゃんも世界各地を自転車で走ったことのあるチャリダー夫妻。前日に水越さんのお友達からいただいたイノシシ肉とマコモを持っていったら、インド仕込みのおいしいカレーを作ってくださった。

 

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ヘチマランプやスピーカーなど、手作りの品々もかわいい。

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わたしもゆかさんも手仕事が好きという共通点があり、海外や日本の手仕事トークで話が盛り上がった。その話の中で近所にすごい方がいるという話になり、翌日噂のスーパー主婦・ニシダさんの元へ連れて行っていただいた。

元々トルコのオヤという手工芸品がきっかけで絹糸を一から作りたいと思い、養蚕からはじめることにしたそう。

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ニシダさんが蚕から育て、紡ぎ、草木染めで染めた美しい糸。わたしもゆかさんも大興奮。

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スピンドルや糸紡ぎ車での糸つむぎも教えてもらう。ニシダさんがやるといかにも簡単そうに見えるのだけど、ちょっと油断するとブチッと切れてしまったり、逆に太くなりすぎたり。なかなか塩梅が難しい。

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最近は羊まで飼い始めたようで、もう少し毛が伸びたら羊毛を紡ぐのが楽しみだそう。

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完全に趣味の域を逸脱している…すごい人がいるもんだ。

 

 

 

 

 

 

 

奈良編 #1 しかしかしか

京都から木津川沿いを南下して奈良に入る。どこまでも平らな道はメキシコのユカタン半島を彷彿とさせる。平坦で車通りが多くてとにかく眠い。何度か意識が遠のきそうになるのを必死でこらえながら、奈良に到着。

 

 

シカシカシカ…

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奈良に来たのは学生の時以来だから10年ぶりだろうか。こんなにも鹿が多かったっけ。ここ最近は野生の鹿しか知らないので、こうして人馴れした鹿を見ると実に不思議な気分になる。なんというか…かわいい。もう食べられないかもしらん。

 

そして有機農家を営む水越さんの元へ。母の友人の妹さんで、わたしが旅に出る前からずっとブログも読んでくださっていて、今回やっとお会いすることができた。
近所に住んでいる農家さんや猟師さんもイノシシやら鴨やニワトリ(飼っているのをわざわざシメてきてくれた)やら持って集まってくれて、旅のことや日々の暮らしのことについて夜な夜な話した。

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元々ご両親の代は慣行農法だったのが、水越さん(ご主人)が有機農業を引っさげて帰ってきてから、「クスリを使わないほうが体の調子がいいし、野菜の味も濃い」とご両親も気づき、今では完全にアンチ農薬になったという話や、おふたりの馴れ初め話がおもしろかったな。お手伝いするつもりが結局なにもできなかったので次回はこき使われにきます。

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京都編 #2 ラジオにのせて

滋賀の高島で出会った方から、京都のKBSラジオへの出演依頼をいただいた。わたしはすでにその時奈良にいる予定だったので一度はお断りしたのだが、まあこんな機会もなかなかないだろうと思い直し、電車に乗って京都に戻ることにした。

 

奈良から電車で約1時間。京都御所近くの喫茶店でカレーをごちそうになりながら打ち合わせ。このカレーがまたすっごく美味しくて、しかもルーがおかわり自由という。これだけでもうわざわざ来た甲斐があったなあと思ってしまうほど。

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打ち合わせから放送まで2時間ほどあったので、その間に大学に行ってみることにした。実はわたしが京都にいた時は三連休だったので先生にお会いできなかったのだ。顔なじみの先生のもとへ挨拶に伺う。8年も経つと先生以外はほぼ総入れ替え状態であったし、そもそも今のわたしは住んでいる世界が違いすぎて共通言語がほとんど見つからなかったが、それでも先生の元気そうな姿を見られたことはよかった。

 

そして迎えた本番。

 

ドキドキ…

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どうなることやらとヒヤヒヤしていたが、さすがはプロ、そして関西人。バシバシと気持ちよく突っ込んで盛り上げていただき、あっというまに20分が過ぎた。終わったあとはお土産に総長カレーと、「旅を終えたらまた出てください」という再出演オファーまでいただいたのであった。

 

今回の件で学んだことは「迷ったらやる」ということ。もしあのまま断っていたら何もせずにただぼけーっと縁側に座ってお茶をすすっていたか、奈良公園で鹿と戯れる1日になっていたことであろう。まあそれはそれで悪くはないのだけど、「やる」いうところに立つことで、自分だけでなく周りの人や環境も自然とそういう風に転がっていくし、いろんな可能性が拓けてくる。今までの人生においても、やった後悔よりもやらなかった後悔の方がはるかに尾をひく。

そんなことは去年旅に出た時からとうに気づいていたはずなのに。

それをあらためて思い出させてもらう出来事だった。

速報 このあとラジオ出演します!

https://www.instagram.com/p/BaDbzkPgaGU/

このあと15:30-15:50に京都のKBSラジオに急遽出ることになりました。生放送とかキンチョーする…放送エリア以外の方はradikoプレミアムかラジオクラウドというアプリで聴けるみたいです

 

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ドキドキ!!

 

 

京都編 #1 懐かしさとせつなさと

昨日の朝から降り始めた雨は翌朝になってもしとしとと降り続いていた。

昨夜は結局日付が変わるまで飲み、古良慕のスタッフであるのんちゃんのご実家に泊めていただいた。突然のことなのに快く受け入れてくれて本当にありがたい。

 

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琵琶湖から京都に抜けるには大きく分けて3つのルートがあり、いずれにしても峠を越えないといけない。一番短いけど急な途中越え、ぐねぐねと曲がった山中越え、一番楽だけど距離の長い大関越え。今回は大関越えの裏道である小関越えを行った。200mほどの小さな峠だがそれでも勾配が急なので汗が吹き出る。12時の鐘と同時に頂上に着き、なんだか気分がいい。

 

そこからはスルスルと坂道を下っていき京都に到着。まともに京都に来たのは何年ぶりだろうか。

真っ先に向かったのは一乗寺にある定食屋、「せんなり」。学生時代、わたしはここで4年間アルバイトをし、胃袋を支えてもらっていた。

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いつも変わらず温かく迎え入れてくれるおくさんとマスター。もうあれから10年も経つのかと思うと信じられない。

 

それにしても京都には友人がたくさんいたと思っていたのに、気づけばみんな就職やら結婚やらで散り散りになってしまった。

 

ジミーくんの実家であるアイバサイクルに里帰りしてみた。

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夜はいつもお世話になっている先輩のおうちへ。ナカイさんはわたしが人生の壁にぶつかる度に相談する頼りになるアニキ。昨年ご結婚されたそうで、奥様にもはじめてお会いした。そんな新婚さんのお宅におじゃまするという厚かましさ。実は近頃少し悩んでいたことがあったのだけど、お二人に相談したら吹っ飛んでしまった。やはり偉大な先輩です。

 

10年前のわたしはいつも何かに悩んでいて、自分に自信がなくて、人をうらやんでばかりいた。今も根本的には大して変わらないけど、当時はこれで人生決まってしまう!ぐらいに思っていたことが、今にしてみれば本当にちっぽけなことだったなあと感じるわけだから、きっと今悩んでることも10年後のわたしから見たらちっぽけなことなのだろう。そう思えば一見ぐるぐると同じようなところを回っているように見えて、案外らせん状に上がっているのかもしれないな。

 

大学時代の恩師や幼なじみとの再会、大学の校舎、はじめて一人暮らしをしたアパート、行きつけのパン屋、よく走った道…

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変わらないものと変わったもの、 懐かしさとせつなさを感じながら京都の街を後にした。

 

 

 

 

滋賀編 #2 鮒鮨とこらぼ

黒壁の街並みで有名な長浜。

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「どんどん」という長屋を改築したオサレなシェアスペースへ。

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どんどんのスタッフさんに湖まて徒歩1秒の屋根付き物件(東屋)を教えてもらって投宿。

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翌朝カラスの鳴き声で目がさめる。今日は10時から雨の予報なので太陽よりも早起きするつもりだったのだが…

屋根付きだが壁なしのため明け方は寒かった。

 

カメラマンのMOTOKOさんに、「高島に行くなら絶対会って欲しい人がいる」と言われ、まずやってきたは江戸時代から続く老舗の鮒鮨やさん、「魚治」。

魚を麹に漬けて2年間発酵させて作る鮒鮨。冷蔵庫のなかった時代の魚の保存方法。昔のひとの知恵が作り上げた食文化。チーズやヨーグルトなどが今ほど一般的ではなかった時代、発酵による酸味は受け入れられにくく、したがって甘露煮(鮒鮨の飯をおとして甘辛く煮る)のほうが人気だったそうだが、今は発酵食ブームなこともあって元々の鮒鮨の方が人気があるそう。時代とともに人々の味覚や趣向が変わるのは面白い。

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予報通り10時から雨が強くなってきた。

高島市の針江地区は平成の名水百選にも選ばれた「生水(しょうず)の郷 」。
各家をはじめ100カ所以上の湧き水が溢れ、600年以上前からある水路を今も生活の中で利用している。

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ここの水を仕込み水として使う酒蔵も多い。

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そんな水の町の一角に、「喫茶 古良慕(こらぼ)」というとても素敵なカフェがある。元々は古民家を取り壊す時などに出る廃材や建具をきれいにして売っているお店で、最近有名になった長野県のリビルディングセンターよりも先駆けてやられている。

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カフェの中には古材を使ったテーブルやイス、棚などが配置されていて、ついつい長居したくなるような素敵な空間。

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日替わりランチも美味しい。

 

ここで針江 のんきぃふぁーむというお米農家を営む石津さんと待ち合わせた。

本当はこの日のうちに京都に移動するつもりだったのだけど、いつのまにか土砂降りだし暗くなる前に京都に着くのは難しそうな時間となり、石津さんや古良慕のオーナー・島村さんにも「泊まっていけば」と言っていただいたので、そうさせてもらうことにした。

島村さんの家系は元々葭屋根を葺く葭商をされており、その後も古民家の移築や再生をしていたらしく、古民家をリノベーションした立派なおうちに住んでいた。

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今津で100年以上に渡って和ろうそくを作っており、石津さんの友人でもある大與(だいよ)さんにも連れて行っていただいた。

櫨の実や米ぬかから作られる和ろうそく。今では櫨を搾る農家さんもろうそく職人さんも数人しかいないという。伝統的なものからポップなものまでラインナップもさまざま。

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翌日から古良慕で展示をされる三瓶さんの作品を見せていただく。三瓶さんの手にかかれば流木やサンゴにも再び命が吹き込まれる。

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夜はみんなで鍋を囲む。祇園の料亭で料理人をしていたという島村さんの料理はめちゃくちゃおいしかった。

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地元のクリエイターさんも来て賑やかな食卓に。わたしが以前からずっと会いたかったhaiさん(鹿骨アクセサリーを作っている方)もなんとめちゃくちゃ近くに住んでおり、島村さんや石津さんがあの手この手でどうにか連絡を取ると、すぐに来てくださった。わたしが狩猟をはじめた頃、皮や骨を無駄にしたくなくていろいろと調べていたところ彼女の作品を見つけた。本当に美しくて、興奮して作り方などを尋ねたところすぐにお返事をくれたのであった。あれから数年のときが経ち、いろんなご縁とタイミングが重なって出会うことができた。

人の出会いはつくづく不思議なものだと思う。

 

 

 

滋賀編 #1 日本のキューバ

北海道のライダーハウスで会ったアオヤマさん。滋賀に来る時は寄ってくださいと言ってくれたのでお言葉に甘えておじゃました。

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長年小学校の先生を勤めていたが、いろんなことが重なり定年を2年残して退職し、そこからバイクで日本一周したり、フィリピンで3ヶ月生活したり。夏は4年連続で北海道を走っているそう。男のロマンを詰め込んだかのような部屋に住んでおり、ラジコン、メダカ、バス釣り、バイク、スキーと驚くほど多趣味。めちゃくちゃダンディで素敵なおじさまでした。

 


翌日は日本で唯一の湖に浮かぶ有人島沖島へ。アオヤマさんは昔ここで教師をしていたこともあり、案内してもらった。

フェリーに乗ろうとしたら財布の中に200円しか入っていなかった。アオヤマさん、すみません…f:id:mayataro811:20171010190509j:image

沖島まで約5分。あっという間に到着。

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シンプルイズベスト


島には軽トラが2台あるのみで、ほとんどの人たちは三輪車のようなママチャリで荷物を運んでいる。

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漁師のおじさんが網を直していたのだが、古くなった網は編んでロープにしていた。まるでキューバのようだ。

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チチカカ湖で見たような葦船も作られていたり、

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パタゴニアを彷彿とさせる風景が見られたり、

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陸からわずか5分の距離なのにここにはまるでタイムスリップしたかのような異世界が広がっていた。

お昼ご飯までごちそうになり、アオヤマさんにお礼を告げて14時頃出発。明日は天気が悪いというので、なるべく先に進んでおきたいところ。

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走り出してしばらくすると見覚えのあるライダーさんが。アオヤマさんがわたしの忘れ物を届けてくれたのだった。

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颯爽と去っていくアオヤマさん。かっこいいわ〜。

それにしてもわたしは本当に忘れ物が多い。3日に一度は何かをなくす。

 

なつかしの琵琶湖湖岸を走る。

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https://www.instagram.com/p/BZ3SpbRgRRV/

ママチャリで琵琶湖を一周したのがはじめての自転車旅だった。まさか10年後も同じことをしているとは、あの時のわたしは思いもしなかったでしょう。My first bicycle trip was to cycle around Lake Biwa. Who could imagine that I'm still doing the same 10 years later?#チャリ旅 #discoverjapan #びわいち

 

 

 

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