まやたろの体当たり日記 Wanderlust

東京銀座のOL→山梨で農業と狩猟をはじめる→2016北米&南米自転車縦断→2017夏全国キャラバン→2019秋「なないろペダル」(出版舎ジグ)刊行!

岩手編 #1 あまちゃんとふだいまつり

久慈の道の駅で朝を迎える。けっこうな雨だったが、屋根と壁があったのでとても快適だった。

 

 

 

あまちゃんで一躍有名になった久慈。ここの人たちはとてもフレンドリーで、温泉で一緒になったおばちゃんたち(お互い初対面)もみんなしてわたしの泊まるところを考えてくれたり(最終的に道の駅に落ち着いた)、タクシーのおじちゃんが「甘いもの食え」と言って最中をくれたり、海女さんたちがホヤをくれたり。 今もあまちゃん熱冷めやらぬ久慈だが、昨年の今頃は台風で駅前が浸水し、甚大な被害を受けたのだそう。津波や台風にも負けず、たくましく生きる人たちだから、こんな旅人にもあたたかくしてくれるのでしょう。 それにしてもホヤはじめて食べたけどうまかったなあ。

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本物のあまちゃんに会いに海女センターへ。慣れた手つきで巧みにホヤを捌いていた。

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とれたてほやほやのホヤをいただく。

口いっぱいに磯の香りが広がり、いつまでもあとを引く甘みが残る。f:id:mayataro811:20170906133359j:image

 

あまちゃんにも登場した「まめぶ汁」も食べてみた。一見普通の汁物のようだけど、黒糖とくるみが入った「まめぶ」という団子が入っている。ドラマの中では甘くてしょっぱくて微妙、とされていたけど、わりとおいしかった。

 

https://www.instagram.com/p/BYcCeu_gbKO/

まめぶ汁じぇじぇじぇ!

 

こんなものまで

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峠を越えて普代村へ。友人のたくちゃんが協力隊をしているので連絡してみると、ちょうど明日からお祭りで今夜は前夜祭だという。そんな忙しい最中にお昼をごちそうになり、午後は椎茸のホダ木を組む作業を手伝わせてもらった。

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そして夜、前夜祭が始まった。立派な山車は近くで見ても手作りとはとても思えないクオリティ。下組は山車を手作りし始めてから今年でちょうど10年になるらしく、かなり気合が入った出来だった。

 

 

夜の飲み会にも出させてもらい、そのまま地区会長さんのお宅に泊めていただいた。

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普代村は高さ15m以上の堤防によって守られ、あの大津波の中ひとりの犠牲者も出さなかった奇跡の村として有名になった。

大津波から村民を救った和村前村長の置き土産。大反対を受けてなお建造された巨大堤防。: 英考塾

 

短い時間だったけど、普代の人たちのやさしさに触れ、とてもいい時間を過ごすことができました。

たくちゃんありがとう!そして結婚おめでとう!

 

青森編 #1 ミサイルと南部煎餅

サイレンの音で目がさめる。
北朝鮮からミサイルが発射されました。頑丈な建物か地下に避難してください」
わたしは東屋の下、テントの中。どう見ても頑丈な建物ではない。
これでダメならそれまでだ。半分寝ぼけながら、諦めにも似た境地。

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ご飯を作っているうちに雨がやんだのでぼちぼち出発。

 

ずっと気になっていた六ヶ所村に寄ってみた。
使用済み核燃料を再利用する再処理工場や高濃度放射性物質を保管する施設が建ち並ぶ。
平均所得1300万円以上。3.11以降も引き続き原発を推進している。

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原燃PRセンターは予想通り、原発がいかに素晴らしいかを訴えていた。

中性子を当てて、ウランプルトニウムに変えよう〜」みたいなゲームもあり、いかにも多額のお金をかけて建てられたと思われる広大な施設の中には、わたし以外はスタッフしかいない。
村の中にある看板には「みんなで力を合わせて実現しよう核燃料サイクル」と書かれていた。
きっとこの村の人々は小さい頃からこうした教育を受けてきたんだろう。
美しい言葉をならべて作り上げてきた「安全神話」。
そのことに気付かず、気付いても見て見ぬふりをしてきた大多数のわたしたち。
核爆弾を何千個も作れるだけのプルトニウムをすでに保有している。http://yohoho.jp/13276
ミサイル報道のあとだったから一層現実味があった。

 
曲技自衛隊ブルーインパルスの飛行場がある三沢では、たくさんの飛行機があちらこちらで低空飛行をしていた。
大地を切り裂くようなけたたましい轟音。電線の倍ぐらいの高さで頭上を通過した時、テレビや映画でしか見たことのないB29の姿と重なり、降ってくる爆弾を想像してしまった。

 

雨にやられてケータイが水没した。パタゴニアの悪夢が蘇る。
地図も連絡手段も情報収集も記録もこの小さな箱の中に頼りきりのわたし。早くお米に入れないと。

 

なんとなく暗い気持ちを抱えたまま、おいらせに着いた。
カメラマンのMotokoさんの紹介で、南部煎餅屋の川越さんを訪ねた。
とても温かく出迎えてくれ、泊まっていってといってくれた。焼きたての煎餅をいただいた。暗い気持ちは一気に吹っ飛んだ。

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一緒にごはんを作って食べた。旅のこと、海外での暮らし、アイヌや縄文文化のことなどたくさん話した。

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今日もこうして生きていること
平穏な1日を終えられたこと
何一つあたりまえなんてないということ

 

そんなことを再確認した1日だった。

 

ちなみに水没したあいぽんはお米先生のおかげで無事復活しましたよ。

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翌朝、出発前に煎餅屋さんを少しお手伝いさせてもらった(ほとんど邪魔してたと言っても差し支えない)。添加物は一切使わず、生地をこねて一枚ずつのばし、焼き、詰めるところまですべて手作業。たくさんの手間ひまをかけて、おいしい煎餅ができていく。

 

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https://www.instagram.com/p/BYamrGmgEiI/

青森県おいらせ町にある「川越せんべい店」。明治初期から続く老舗を継ぐ五代目の若夫婦、しょうこうさんとなおちゃん。添加物を使わず、すべて手作業で焼き上げられる南部煎餅。出来たてをいただくとパリッとした食感にごまやピーナッツの香りがふわっと広がる、癖になる味。昔は9軒あったせんべいやさんも今は残すところここ一軒のみ。地元の人たちに愛され、連日売り切れ続出。そんな忙しい最中快く受け入れてくれたお二人。一緒にごはんを作って食べ、旅のことから海外での暮らし、縄文やアイヌの文化などいろんな話で盛り上がりとてもたのしいひとときでした。せんべいを焼くときに500度の熱が出るらしく、それを利用して温室を作るとか、縄文人が食べていたと言われるクルミや栗を使った縄文せんべいを作るとか、今後の展開もたのしみです。しょうこうさん、なおちゃん、そして素敵なご縁をつないでくださったMOTOKOさん、本当にありがとうございました!

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八戸で見つけた八百屋さん。

https://www.instagram.com/p/BYbpf_7AROx/

衝撃の破格。ここはペルーかメキシコか!!?

 

行列のできてる店には入りたくなるよね。

https://www.instagram.com/p/BYbpLBsAai1/

平目漬丼甘みのある平目が卵黄とタレとからんでうまい〜高級な卵かけご飯みたいな

 

久慈の手前の温泉でゆっくりしつつ、となりのキャンプ場に泊まろうかな〜とか思っていたのだけど、おばちゃんたちに「クマが出るからやめなさい」「道の駅まで行きなさい」と言われたので、真っ暗な夜道をひたすら走って道の駅へ。

 

トイレのとなりに24時間空いてる休憩所があって快適です。同じくスーパーカブで日本一周している青年と一緒になりました。これで雨もこわくないぜ。

 

北海道〜青森編 活きイカと昆布とブライアン

昆布漁師の朝は早い。3:30に起きて準備をし、5時過ぎに出漁する。ただし天候次第で中止となる。この日は快晴だったが、風が強くて中止になった。のちに風はおさまったのだが、この朝の時間に出発しないと間に合わないのだそうだ。

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天然昆布の出漁がない日は前もって収穫してあった養殖昆布を綺麗にして巻き直す作業をする。一枚一枚裏表丁寧にスポンジで表面をこすって汚れや付着物を取り、50cmほどの長さの板に巻きつけて長さを揃える。一本の昆布は電柱ほどの長さがあるという。最近は天然物が取れなくなってきたので養殖の価値が上がってきたらしい。

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天候に大きく左右される漁の世界。冬場は海水も凍りつく寒さの中、昆布の間引きをするらしい。そんな過酷な仕事でも家族で支え合い、乗り越えてきたのだろう。

 

天気もいいので函館朝市に向かう。北海道はどこも中国人観光客だらけで、看板も日本語よりも中国語が多いぐらい。10年前にドイツのエコツアーで一緒になった友人が北海道に住んでいるというので連絡を取ってみると、はるばる150km車を走らせて会いに来てくれた。活きイカ丼の店に入る。

活きイカ丼

醤油をかけると暴れるイカ。なんかかわいそう。

結局エビちゃんにイカちゃんをごちそうになってしまった。ありがとう!

 

ひたすらイカ推しなこの町、散歩していたら「イカ広場」という表示があったので、イカのモニュメントでもあるんだうなあ、と予想していたらイカリのモニュメントしかなかった。英語で"squid square meeting point" と書かれていたけど誰もいなくて笑った。いろいろ衝撃的すぎて写真撮り忘れた。

 

金森倉庫は横浜の赤レンガ倉庫とそっくり。赤レンガ色のあずきソフトクリームを食べてたら、近くで大道芸をやっていたのでなんとなく見ていたのだが、このブライアンというアメリカ人がめちゃくちゃ面白くて、わたしは終始爆笑していた。

いやー、すごいレベル高いわ。ひとりであそこまでできるのがすごい。

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あまりに良かったので一緒に写真を撮ってもらった。

 

エビちゃんとわかれて、サムズバイクのなみさんにオススメされた函館の自転車やさん、CHILLNOWAへ。ここの居心地が良すぎて一ヶ月棲みついちゃってる日本一周チャリダーが二人もいた。

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そして帰ったらごちそうだった。

寿司や刺身がどれもうなるほどうまくてたまげた。北海道すごすぎる!

今日もごちそうさまです!!

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翌朝は5:30に出漁するというので見に行く。合図とともに船が一斉に沖に出て行く。昔はこの何倍も船がいて、すごい迫力だったそう。

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朝ごはんと、おみやげに大量の昆布とわかめまで頂いてしまった。なんかもうありがたすぎて申し訳ない。あまりに大量なのて送ってもらうことにした。

 

ハセストのやきとり弁当(豚だけどやきとり)を買って、フェリー乗場へ向かう。輪行だと自転車料金がかからないと言われたので、すごくすごく面倒だけど、1000円のためにがんばった。

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フェリーに乗り込み、買ってきたやきとり弁当(豚だけど)をガマンできずにひとくち…のつもりが、気付けば出港前に完食していた。f:id:mayataro811:20170905190705j:imagef:id:mayataro811:20170905190716j:image

なにこれ。なまらうまい。

 

予定どおり11時に大間に着く。船員さんが自転車を運ぶのを手伝ってくれてとてもありがたかった。

大間は驚くほど誰もいない。オーマイガー。

https://www.instagram.com/p/BYUh0qIgk0Z/

さて、帰りますか

 

明日から雨らしいので今日中になるべく進んでおきたいけどどこまでいけるかしら。

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むつのパン屋さんでキッシュと蒸しパンを買う。あとで食べようと思っていたのに気付いたらすべてなくなっていた。ふしぎ。

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横浜というなじみのある場所に着いた。

道の駅もなかなか快適そうだけど、人が出入りしそうだしトイレの前はちょっとにおうな、とか思いながら近くの温泉へ。青森県の温泉はせっけんやシャンプーがない代わりにとても安くて助かる。

毎日風呂に入るなんて贅沢してるなーとは思うんだけど、やっぱり風呂は格別ですね。

温泉に向かう途中でいいかんじの東屋を見つけたので今夜はここに投宿。屋根があるので一安心。雨あんまり降らないといいな。

 

 

 

北海道編 #4 洞爺湖から函館へ

おじさまライダーさんたちに見送られながら出発。

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洞爺湖まで約40km。今日は天気も良く、とても気持ちのいいさわやかな自転車日和。

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洞爺湖畔のカフェ、ちゃいはなさんにてランチ。トロトロになるまで煮込まれたチキンカレーはたしかに美味しいのだけど、わたしはもう少しスパイシーな方が好みかな。

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謎の彫刻がたくさん転がってる洞爺湖f:id:mayataro811:20170831052426j:image

豊浦から長万部に抜ける峠越えがなかなかキツかった。長い上りが続き、トンネルも多く、チャリダーにはけっこうツライ。

それを抜けると北海道らしいまっすぐで平らな道。

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長万部に着く頃にはへとへとだったが、長万部温泉が最高に気持ち良くて身体の芯まで染み渡った。日本のいいところはどこにいっても温泉があるというところ。贅沢だと思いつつほとんど毎日お風呂に入ってる。でも次の日に疲れを残さないのは大事、という口実。f:id:mayataro811:20170831052452j:image

長万部名物かにめし。字のフォント的にはうらめし。

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長万部公園キャンプ場に着いた頃にはもう真っ暗。暗闇のなかテントを建て、余ったシカ筋と夏野菜の味噌煮込みを作った。

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翌朝は雨音で目が覚めた。今日は晴れじゃなかったのか…と思ったら晴れてきた。のんびり支度をして8時に出発。

坂を登っているとたいしんくんというチャリダーに話しかけられ、「函館までお伴していいですか?」と言われたのでしばらく一緒に走っていたのだが、途中ではぐれてしまった。坂の真ん中あたりでものすごい雷雨になったが、それも10分ぐらいで止んで今度はあっという間に晴れた。

森町の道の駅で女ソロチャリダーともか、大阪から車で来てるおかと出会い、意気投合。3人で盛り上がっていると売店のおばちゃんがフレンドリーで高級プラムを差し入れしてくれた。

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ともかからこの先の大沼というところに大沼だんごなるものがあると聞き、寄り道することにした。

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見る角度によって違った表情を見せる駒ケ岳。

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だんごを買い、山川牧場のソフトクリームへ。これも期待しすぎたのか、思ったほどではなかった。

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産まれたての仔牛がかわいかった。

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お腹が空いたので回転寿司屋とかに寄ったりしてたら、函館に着く頃には暗くなりかけていた。

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2日で240km走り、函館にやってきた。都留の藍染作家の佐藤文子さんのご紹介で昆布漁師の川崎さん宅におじゃましております。今朝は風が強いため出漁は中止になり、早朝から親子3人で昆布を綺麗にして巻いていく。昔は魚もとれたけど近年は水が汚れて魚もめっきりとれなくなったのでやめてしまったんだとか。天気や自然と日々向き合う職人仕事。過酷な環境の中それを受け入れ、黙々と作業をしていく姿は最高にカッコいい。突然おしかけたのにも関わらず「何もないけど」とか「全部うちでとれたものだけど」とか言いながらアワビやタコを出してくださいました。「わたしらはいつも食べてるから」と結局わたしが全部いただくことに。刺身もバター焼きもしゃぶしゃぶもふわっと磯の香りがして最高に美味でした。こんなご馳走いただいてしまって恐縮です。

 

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とか言いつつ「もう一泊してもいいですか?」とお願いする始末。

相変わらず厚かましさだけはピカイチです。

 

北海道編#3 支笏湖とまさかの…

札幌から千歳経由で支笏湖へ。出発したのが14時過ぎだったので、飛ばし気味に走る。最後の20kmは森の中を走る気持ちのいいサイクリングロード。

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https://www.instagram.com/p/BYIxlJMg0co/

支笏湖に着きましたぞ。なんとか夕日に間に合った。チリで買った三代目テントは先日ご臨終なさったのですが、心やさしき友人がくれた四代目テントで乗り切っております。ありがとみゆー♡

 

翌朝は9時から雨の予報だったので日の出と同時に出る予定だったのだが、案の定ダラダラしてたら6時過ぎになってしまった。そして出発直後に道端であるモノを発見したりして、予報通り9時に雨は降り出した。

このまま40km先の洞爺湖に抜けるか、10km先の雪月花廊に避難するかで迷ったが、まだいける!と思って洞爺湖方面に舵を切った。

 

ところがどっこい、しばらくすると雨脚が強まり、完全にやる気をなくした。結局下った道をまた上って雪月花廊に向かうことにした。そしてこの道がまたキツく、2km置きに6%の上りと下りが交互に現れるという悪魔のような道だった。どうにかして11時頃到着。

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夜は他のライダーさんに混じってごはんを食べ、ギターを弾いてみんなで歌った。たのしいひとときでした。

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 念願のエゾシカも食べられて満足です。

https://www.instagram.com/p/BYKuyZFA4nJ/

エゾジカ食べたい。と念じていたら道でバッタリ出会いました。タナボタならぬミチシカです。食べられる分だけいただき、盛り塩をして弔いました。メスなのに100kmぐらいあったんじゃないかな。脂がのってます。シカさんありがとう。おいしくいただきます。

 

今宵は図書室にて就寝。相変わらず面白くて不思議な宿だ。

 

 

北海道編#2 サムズバイクとミスターバイシクル

朝起きると豪華な朝食が用意されていた。荷物をまとめて出ようとすると、今度はおにぎりをもたせてくれた。

れいこさんの働く北海道のローカルコンビニ、セイコーマートは最高だ。お店で手作りのおにぎりやフライドチキン、焼きたてのパン…どれもすごくおいしいので北海道ではこのオレンジの看板を見るたびにテンションが上がる。

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れいこさん、夢子ちゃん、大変お世話になりました!

 

あつまをあとにして札幌まで70kmほど。今日は快晴とまではいかないが、雨もなく走りやすい。14時半に到着。

 

夜は前の会社の先輩や狩猟つながりで出会った友人など、わたしの会いたい人を集めた会。わたし以外はみんなお互い初対面でどうなるかと思ったけど旅の話など楽しんでいただけたようでよかった。

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翌日は朝からけっこうな雨。以前オーストラリアを走ったというアキコさんとラーメンやさんで待ち合わせ。人気店らしく、雨なのにすごい列ができていた。

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つづいて向かいにあるサムズバイクへ。

ペダルとクランクの様子がおかしかったのを中古パーツで交換していただきました!なんともありがたい。tkdさんは北海道で走ってない道はないぐらい北海道を知り尽くした人。函館までのおすすめルートやグルメ情報など、いろいろと教えていただいた。歩くガイドブック並みの知識!

とても居心地の良い場所で、結局ほぼ一日中いた。

https://www.instagram.com/p/BYI4lbPgXja/

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札幌にある素敵な自転車やさん、サムズバイク。度々お世話になっている青山OVEの松田さんのご紹介でおじゃましました。手際よく丁寧にメンテとパーツ交換をしてくださったtkdさん。ペダルとクランクの調子がおかしくなっていたのをタダ同然で直してくださいました。本当にありがとうございます。こだわりの美味しいコーヒーとおやつをいただきながらナミさんとおしゃべり。このお店のオーナーだったご主人のサムさんは昨年亡くなられたそうで、写真を見ただけでもダンディーでカッコよくて素敵な方だったんだろうなあと思ったのだけど、お店には次々とサムさんに会いに来るお客さんがあとを絶たず、どれだけ愛され慕われていた人なのかうかがい知ることができました。お会いしてみたかったなあ。帰ろうとしていたところ、これまた素敵なファミリーが現れ、わたしの話を聞きたいとのことで急遽プチお話会に。結局ほとんど一日中いた。笑ナミさんとは今日はじめて会ったとは思えないぐらい、なんだか昔からの友達のような感じで何度もハグをして別れました。出会えてよかった!!

 

わたしが行きたいと言ったらアキコさんが北海道博物館まで連れて行ってくれた。

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アイヌの展示が充実していると聞いた通り、旧石器時代からの北海道の歴史が時系列でわかりやすく展示されていた。縄文時代のあと、九州〜本州までは稲作がはじまったが、北海道までは伝わらなかったため、続縄文文化と呼ばれているそう。その後アイヌの人たちが如何に松前藩から搾取されていたかもよくわかった。干鮭100匹と米7升を交換とか酷すぎる。f:id:mayataro811:20170828095105j:image

どうしてあとから来た人たちってみんな偉そうなんだろうか。どこの国も先住民に対して同じようなことをしている。

 

アイヌは口承文化のため、神話や唄なども代々語り継がれてきた。しかし差別の酷かった時代、親はあえて子にアイヌ語を教えようとしなかった。そうして失ってしまったものがたくさんあるのだろう。一度絶えてしまったものを復活させるには凄まじい努力が必要だ。

 

札幌でぜひとも行ってみたかったのがこちら、ミスターバイシクル。 名前だけ聞いたら自転車やさんみたいだけど、実は床屋さん。しかしただの床屋ではない。

https://www.instagram.com/p/BYIQ-pEAKiJ/

日本一周チャリダーをタダで散髪してくれる床屋さん、Mr.Bicycleにいってきた。実はおととい行ったのだけど、「今日はいっぱいだから、あとTシャツに日付と番号も入れないといけないからまたあさって来てくれる?」と言われて本日再訪したのでありました。マスター自身もかつて日本一周したチャリダーであり、かれこれ35年間もここを訪れるチャリダーの髪を切り、Tシャツを配っている。なんという太っ腹でダンディーなおじさまなのでしょう。マスターが淹れてくれたコーヒーはコーヒーが苦手なわたしでも美味しいと思うほどで、おかげさまでツーブロックも復活し、はじめての顔剃りのおかげでお顔もツルツルになり、これで準備万端です()

 

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札幌ではジビエラーメン職人・みづほさんのお宅に2泊させてもらった。これからエゾシカラーメンをはじめるらしい!楽しみだなあ〜!(わたしの黒さが引き立ちます

 

いろんな人との再会や新たな出会いに励まされ、わたしはまた前に進める。やっぱり人との出会い、これにつきる。そんなことを再認識させてくれた札幌滞在。出会ってくれたみなさま、本当にありがとうございました!

 

北海道編#1 アイヌモシリとチプサンケ

アイヌモシリというお祭りがあると聞き、沙流川のほとり、平取町までやってきた。といっても運よくこうちゃんたちも行くというので一緒に乗せてもらった。

 

途中で寄った雪月花廊という廃校を利用したライダーハウス&カフェ&資料館がかなりぶっ飛んでいて面白かった。

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ルスツ豚丼もうまし

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廊下の移動はこれで。高校の時に某Sくんが廊下でこれを走ってて怒られてたのを思い出す。

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二風谷アイヌ博物館に寄ってみる。丸木舟を作る様子や貝で穂積をしている動画がとても面白かった。オヒョウの樹皮からサラニプというかばんやアッシ織りという織物を作る。先日新潟の山熊田で見たシナ織りと極めて近い。

 

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夕暮れも迫ってきているので会場へ向かう。会場だと思っていたところからさらに15kmぐらいあって、自転車だったら相当萎えてただろうなあと思った。

テントを設営している間に暗くなり。雨も本降りになってしまった。どうにか設営したが床が斜めなので寝にくいことこの上なし。

 

たまたま居合わせたメンバーと一緒にキャンプを楽しんだ。

焚き火したり

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カレーのために廃材からスプーンやおたまを作ってみたり

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アイヌの結婚式にも参加した。

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大盛によそわれた一杯のごはんを二人で食べきらないといけない。とても苦しそうだったけど、その苦しさを乗り越えてはじめて結ばれるという通過儀礼

ちなみに結婚破棄したければ食べずに突き返すらしい。 

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アイヌの刺繍も習った。全体が蜘蛛の巣、ぐるぐるがフクロウ(アイヌの神様)の目。

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アイヌモシリは全部で一週間ほどやっているのだが、わたしがいたのは5日ほど。来る日も来る日も雨で、心身ともに堪えた。

そしてテントのポールが裂けてご臨終なさった。チリのホームセンターで30ドルで買った三代目テント。心やさしき友人がテントを譲ってくれたので命拾いしたが、思い出がいっぱい詰まったテントを捨てるのを躊躇い、結局下の部分だけ切り取ってグランドシート代わりにすることにした。

お世話になりました。

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アイヌモシリの後に二風谷でもチプサンケというお祭りがあることを知り、せっかくなのでこちらにも参加してみることに。

また結婚式に出席。衣裳や作法に多少の違いが見られて面白い。

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古式舞踊。アイヌの踊りは楽器を使わず、唄と手拍子で盛り上げる。

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会場では友人に再会したり、関野吉晴さんにお会いしたり。

https://www.instagram.com/p/BYBIHWqgftS/

グレートジャーニーの関野吉晴さんに遭遇!!畏れ多くもしばしチャリ旅談義。すごく気さくで素敵な方でした。

 

そして丸木舟の進水式、チプサンケ。乗船体験もできるのだが、すごい人だったので諦めて観賞。船の形によって安定感のあるものから、何度も転覆するものまでさまざま。

 

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そんな感じで約一週間アイヌ漬け…になるつもりだったのだが、結局あまり漬かれないまま平取を後にした。

 

40kmほど走った厚真という町に母の友人が住んでおり、そこで手厚くもてなしていただいた。

https://www.instagram.com/p/BYBIbzZgcIm/

サッポロクラシック、ジンギスカン、牡蠣、とうきび、ほっけ、ししゃも、白老牛、アスパラ、カニ、北海道うますぎる…!ごちそうさまです!!

 

ここに来るまでなんとなく消化不良の悶々とした気持ちだったのだが、美味しいご飯をいただき、集まった人たちと楽しい時間を過ごし、温泉に入り、久しぶりにふかふかの布団に入ったらもう幸せ。わたしは単純だ。

青森〜北海道編 りんご染めと縄文遺跡と誕生日

夜中何度もいろんな車が入れかわり立ちかわりやってきてあまり眠れないまま朝を迎える。

 

昨日教えてもらったりんご染めの工房に電話すると10時からやっているというのでそれに合わせて出発。板柳まで15km。

りんご染めは葉を煮出した液からきれいなピンクが、樹皮や枝からは黄、茶、グレー系。

https://www.instagram.com/p/BXpKMlJAdnJ/

りんご染め体験りんごの葉や樹皮からこんないろんな色が生まれるなんてーall the diferent colors are made from apple leaves and bark!

 

葉っぱを煮出すだけでこんなきれいなピンクに。この時期の生命力に溢れた葉でないとこの色は出ないらしい。

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ピンクと迷ったが汚れそうなのでグレーでエコバッグを染めることに。縛ってから染液に漬けて30分、その後媒染液に漬けて30分。水洗いしてアイロンをかけて出来上がり。f:id:mayataro811:20170823012319j:image

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商品を買うのも自分で染めるのも同額(500円〜)なので、お時間のある人はぜひに。

りんご染め体験|青森県観光情報サイト アプティネット

 

お昼に出発して青森へ向かう。峠を越して14:30頃に市内に着いたのでその足で日本最大の縄文遺跡である三内丸山遺跡に行ってみた。

https://www.instagram.com/p/BXt6LpjgnCm/

日本最大級の縄文遺跡、三内丸山遺跡。竪穴式住居、いろり、勾玉などの装身具、漆塗りの器、鹿角の釣り針、土偶や土器、栗を栽培しマダイやフグも食べていたという豊かな狩猟採集文化。ああー縄文時代に住みたい。

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縄文文化すごい。5000年も前の人たちが鹿角で釣り針を作ってニシンやマダイを釣り、土器で煮炊きし、漆塗りの器で食べていたという。ニワトコの実からお酒を作るとか、囲炉裏で屋根を燻すことによって防虫・防水効果が出るとか、そんな知識もすでにあったり。とにかく面白かった。

 

 

その後めぇさんのご実家へ。シャワーを浴び、洗濯をし、ご飯をいただいた。イカやホタテの刺身、身欠きニシンの煮物、おとうさんがゴルフで当てた但馬牛のステーキなどどれもこれもおいしく楽しい時間だった。

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そしてなんとサプライズにケーキまで…!いきなり誕生日に人のご実家におしかけて祝ってもらうという厚かましさ。
とても申し訳ないけど嬉しかったです。

https://www.instagram.com/p/BXq8PvsA_1V/

はじめておじゃまするお友達のご実家に誕生日に登場してサプライズでお祝いしてもらうという厚かましいわたくしです。めぇさん、ご家族のみなさん、本当にありがとうございます!ケーキうんめぇ!

 

次の日の朝、めぇさんといろいろ話した。その中で印象的だったのはプロ意識の高さ。バイトだろうかなんだろうが、徹底的。たとえばコーヒーひとつ出すにしても、常連さんのさとうミルク有無は当たり前で、薄めとか濃いめとかの好みまで把握して気を回すこと。働いているお店のメニューは自分でお金を払って全制覇し、その上でお客さんにおすすめしたりフォローしたりすること。自分に足りていないと思う部分をピンポイントで修行すること。やっぱりこの人めっちゃカッケーと思った。
そんなめぇさんは中目黒でリロンデル (L'Hirondelle) - 中目黒/カフェ [食べログ]というお店をやっている。それはもう何を食べてもめちゃくちゃおいしくて、何よりめぇさんがめっちゃ面白い人だから虜になること間違いなし。

 

どうにか7:40のフェリーが取れたのでみんなに見送られながら7時前に出発。フェリーに乗り込む。青函フェリーの方が安いのだが、お盆時期で満席だったために津軽海峡フェリー。11時前に函館に到着。けっこうな雨。

https://www.instagram.com/p/BXrTMi6A6AW/

函館は雨


めぇさんのお母さんが作ってくれたすじこおにぎりを頬張ってがんばる。めちゃくちゃうまい…
ここから2日かけて友人のいるニセコまで向かうつもりだったのだが、なんとその友人が仕事が休みになったからわざわざ迎えに来てくれるという。そんなわけで森町ぐらいまで30km走ったところで、ラッキーピエロという函館名物のハンバーガーやさんで合流。雨かつお昼時をとっくに過ぎていたのにすごい行列で、1時間近く並んだ。

https://www.instagram.com/p/BXsSAChAApl/

雨の中走っていたらこうちゃんが150km車を走らせて迎えに来てくれた〜!神や!!函館名物ラッキーピエロ!

 

こうちゃんの友人らと合流して温泉に行き、そのあとお友だちのお店でテキーラを飲み、ほろ酔い気分で帰宅。明日からみんなでアイヌモシリへ向かう。

 

秋田〜青森編 きりたんぽとこぎん刺し

温室で迎える朝。

https://www.instagram.com/p/BXjTrUig3_f/

朝起きると掃除の方がなんとお弁当を作ってきてくれた。「冒険者の方が来てるって聞いて楽しみで〜」ですと。冒険者でもなんでもないんですが、本当にうれしくありがたいことです。初対面どころか会ったこともない人にこんなに優しくできるなんて神様みたいな人っているんだなあ。温泉優待券までいただき、おかげで朝から身も心もぽかぽかです。今回は短い滞在だったけど、山形またゆっくり来たいな。さて秋田までワープしますぞ。


温かい心遣いに感謝しつつ、温泉に入り、雨の中を鶴岡駅まで走る。ここから秋田まで一気にワープすることにした。鈍行で行ったので途中乗り換え駅で時間が4分しかなく、階段を上ってまた下りないといけないためはげしくあせった。輪行する度にらら自転車は乗るものであって運ぶものではない、とつくづく思う。

 

秋田駅に到着。ここで友人家族と待ち合わせをしていたのであった。

https://www.instagram.com/p/BXl6W3PARjb/

秋田で吉田さんファミリーと4年ぶりに再会!非電化工房の「地方に仕事を作る塾」で知り合い、その後わたしが山梨に行ってからは毎回のように農体験イベントに来てくれていた吉田家。帰省直前のお忙しい最中に秋田駅で再会。子供たちはすっかり大きくなっていて、短い時間でしたがお会いできてとてもうれしかったです!お土産やクラウドじゃないファンディングまでいただいてしまって、おまけにご実家に泊めていただいてごちそうをいただいて、もうなんとお礼を言ったらいいのか…

 

お昼ご飯をごちそうになり、心のこもったお手紙とおこづかいをいただき、さらには大館のご実家に泊めていただくというなんとも至れりつくせりなことになってしまいました。ありがとうございます。

朝出る時お母さんがお見送りしてくれた。おにぎりまで持たせていただいて。もうなんと言ったらいいのやら。

 

ここから弘前に抜けるには峠を越えないといけない。しばらくのぼりが続く。峠に道の駅があり、比内地鶏のきりたんぽという看板につられて入る。

https://www.instagram.com/p/BXmZSXpgRzU/

せっかく秋田にきたので#比内地鶏 #きりたんぽ

きりたんぽは時間がたつほどに味が染み込んでいって美味しかった。

 

https://www.instagram.com/p/BXmcaP3giI6/

と思ったらもう青森に突入

 

峠を下って弘前に入る。

弘前に着いたらぜひともやってみたいと思っていたのがこぎん刺し。見本を見ながら上下左右対称の模様を一針ずつ縫っていく。お店の人も自転車好きらしく、自転車話で盛り上がる。青森もなかなか自転車が盛んらしい。

https://www.instagram.com/p/BXm3WHEAPsp/

弘前にきたのでこぎん刺しを教えてもらう。一針ずつチクチクするのはたのしい。元々野良着を補強する過程で生み出されたこぎん刺し。「素敵ね」、と言いながらそれを上回るものを作ろうとする津軽気質によってどんどん新しい模様が生まれていったらしい。#handicraft #discoverjapan

 

近くに草木染めのこぎん糸を売っている「津軽工房社」という素敵なお店があり、そこのお姉さんと話しているうちに近くでりんご染め体験ができることを教えてもらった。

 

さて、今日はどこへ泊まろうか。岩木山にキャンプ場があるらしいが、逆方向だしあまり山を登りたくない。とりあえず温泉に入ってから考えよう、というか温泉の駐車場に泊まればいいかな〜みたいなノリで温泉へ。

しかし現実はそんなに甘くはなかった。

 

https://www.instagram.com/p/BXnXqOagjzW/

宿泊予定だった温泉の駐車場がNGだったので真っ暗な山道を登ってキャンプ場に向かうものの、途中で力尽きていたところ東屋を見つけたので今日はここにする。スーパーで買った割引惣菜と缶ビールで迎える30歳最後の夜。なにしてんだわたし。

 

そんなわけで力尽きてひとり東屋のベンチでウトウトしながら気づけば日付が変わっていた。31歳、幸先のいいスタートです。



 

新潟〜山形編 塩引き鮭と在来野菜

台風が近づいているので今日はのんびりお休みにするつもりだったのに、朝起きると青空が広がっており、予報では明日の方がひどくなるというので出発することにした。台風5号は時速20kmという自転車並みのスピードで日本海沿いを北上しているそうだ。なんだそれ。わたしのことか。こうなったら逃げるしかない。

 

そんなわけでとりあえず鶴岡まで走ろうと思ったのだが、準備でモタモタしている間に8時半になってしまい、このままだと台風に追いつかれる…と思っていたところ、大島さんが村上まで送ってくれるというのでありがたくお言葉に甘えることにした。村上に着くと、「せっかくだから塩引き鮭のお店に行こう」ときっかわさんに連れて行ってくれた。わたしは正直「鮭…!?」という感じだったのだが、中に入り、鮭が吊るされている様子を見て、社長さんのお話を聞いて、興奮がおさまらなかった。

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https://www.instagram.com/p/BXmJXDBA0Fs/

おおしま農縁の大島さんに連れて行ってもらった、村上の「千年鮭きっかわ」さん。鮭の頭から尻尾まで、皮や骨に至るまで余すところなく使うため、その製品数は100にものぼるというが、中でも人気なのが村上名物塩引き鮭。塩を揉み込んでひと月樽の中で寝かせたのち吊るされ、村上特有の気候風土の中で発酵し、ここでしか生まれない独自の旨味を蓄える。特に梅雨時は一度乾燥した鮭が湿気を吸って水滴がポタポタと滴り落ちるさまから「鮭が泣く」といわれ、この時期を過ぎると味がまろやかになり、さらに秋雨をへて一層深みのある味へと変化していくという。天然麹で作られた甘酒も飲ませていただいたのだが、これがすこぶる甘くて美味しかった。甘酒は元々夏の飲み物だったと聞くが、たしかにこうして冷やして飲めば夏バテ知らず。すべて手作り、無添加のこだわりのものづくり。大島さんと伺ったおかげで社長吉川さんの貴重なお話とアツイ想いをたくさん聞くことが出来ました。ありがとうございます!

 

いろいろ話し込んでいるうちに1時間以上経っていた。海沿いで大島さんに降ろしてもらい、出発。午前中は天気も良く、日本海ってこんなにキレイだったっけ?と思うほどだった。台風が近づいているというのにのんきに泳いでる人もけっこういた。まあ人のこと言えないけど。

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ミネラル工房という塩屋さん(ここも大島さんの知り合い)に寄ると、店主が丁寧に説明してくれた。
白いダイヤと呼ばれる塩の結晶は美しく、指先に軽く力を入れるだけでホロホロと崩れていく。これが石みたいに硬くて簡単に崩れないような結晶はホンモノではないという。今の塩の大半は海外から安く輸入した塩をもう一度水に溶かして煮詰めて再結晶しているような塩で、しょっぱいけどミネラル分は少ない。

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塩の作り方、塩づくりへのこだわり、なぜ今の塩がダメなのか、ホンモノの塩は何が違うのか、などアツく語ってくださったのだが、わたしは台風が気になって正直途中からあまり話が入ってこなかった。ごめんなさい。また来ます。


気づけば雨雲がそこまで迫っている。

https://www.instagram.com/p/BXhWRLqgXgc/

やばい

 

https://www.instagram.com/p/BXhR5C7AZVi/

山形突入!!

 

鶴岡に入った頃ポツポツ降り出した。おまけに真正面からの向かい風。それでも、ちゆきさんが「日本一おいしい」と太鼓判を押す「おむすび大地」さんのおむすびを目指して踏ん張る。

f:id:mayataro811:20170818154207j:imagef:id:mayataro811:20170818154216j:imageおむすびは本当に絶妙な塩加減とにぎり加減でちゆきさんが絶賛する理由がわかった。

 


雨脚が強まる中、最後の力を振り絞って「土遊農Do you know?」に到着。着いた直後に土砂降りになり、ギリギリセーフ。ここは600-1000種類の在来作物を全国から集めて育てている山澤さんの温室で、いろんな野菜が所狭しと育てられている。最近「「金がないなら稼げ」元ヒモのマッドサイエンティスト農家が語る人類改造計画 - イーアイデムの地元メディア「ジモコロ」」という記事でも取り上げられた方。

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山澤さんは70歳と聞いて驚くほど筋肉ムキムキでキラキラギラギラしていて、ひたすら下ネタを言っているかと思えば、「人生なんて暇つぶしだ。好きなことやれ」「他人のことなんて知ったことじゃない」とか話があちこち飛ぶけど、一本筋が通っていて面白い。「俺は愛さないことにしたんだ。俺が愛した女はみんな俺にメロメロになっちまうからよぉ。」という言葉も納得できるような魅力的な人だった。日本でハーブがまだ知られていないような35年ぐらい前からハーブを育て、研究して化粧品を作っている。

ハーブ研究所SPUR | 完全無農薬&循環型有機栽培「モーガニック」で人、環境にやさしいものづくり

カラスウリの実は化粧水に、根っこはベビーパウダーに。市販のベビーパウダーコーンスターチで、本物はこっちなのだとか。

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7月にオープンしたばかりのレストラン「土遊農」は在来種の野菜をたっぷり使ったビュッフェ。わたしが着いた時はもう閉店していたのだが、ありがたいことにごはんを食べさせていただいた。

店の中にはポールダンス用のポールが立てられるようになっていて、ゆくゆくはポールダンスレッスンもはじめるだとか、もうなんか情報量が多すぎて訳分からなかったけど、とにかく強烈に面白い人だったので頭を整理した上でまたゆっくり来たい。

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https://www.instagram.com/p/BXh9okPA1Ig/

どうにか鶴岡に到着。ラスト20kmは向かい風と雨にやられて心折れそうだったけど、ちゆきさんに教えてもらった日本一おいしいおむすびやさん「おむすび大地」と、600種類以上の在来種を育てるファンキーな山沢さんに会いに行くためにがんばって走った。着いた直後に土砂降りになったので、まあギリギリセーフということでしょう。ハウスの中で泊まらせていただく上にごはんまでごちそうになりました。屋根と壁があるだけでこの上なくありがたい。

 

そんなわけで台風の中、はじめてハウスの中で寝ます。おやすみなさい。

 

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